感動物語 あれから31年のとしつきが流れていたんだ〜

小学生だった香と31年目の再会     1999.03.12



30数年前、香は小学2年生
私は香の家へ下宿してました。三重県です。
私の青春時代、19〜21の時の話です。


♪な〜ないろの虹が〜 消〜え〜てしまったの〜♪
 とか
♪別れは〜 しな〜い〜 離れ〜な〜い〜♪
 ♪死ぬほど〜 好き〜な〜 人だ〜か〜ら〜♪
こんな歌が流行っていたころです。
  
休みの日 「コンコンッ」「は〜〜〜い!」
ドアを開けると、かわいい香が立っていました。


「お兄ちゃん 遊んでっ!」
これが香との思い出の始まりです。


可愛くって 遊んであげたくなる子供でした。
小学生だった香がこんなになっているんです。
いいお母さんになってますね。かおり


踏切 懐かしい当時の記憶をたどって見ました。

目をつむって思い出して見ると
いつも庭に座って遊んでいる
香の姿が浮んできます。


庭でよく遊びました。ビー玉かな
ゴムまりだっただろうか。
土遊びの記憶もあります。


手を広げて親指を中心にしてグルッと回して・
う〜〜ん あれはなんという遊び・?


遊んでて、次は「自衛隊の広場へ行こう……」
こんな感じだったと思います。


小学生の香の手を引いてこの踏切を渡り
いつもの広場へ向かいます。


広場は香が見つけてきた、お気に入りの遊び場
香の友達も一緒・3人でよく行きました。


広場に到着

ここです。この広場で遊びました。
ここは自衛隊の訓練場、香の大好きなところ


訓練場ですから、いろんなものがあって遊びには最高
かくれるところもあります。飛び箱もあります。
飛んだり、跳ねたり、走ったり、ぶら下がったり


おにごっこもしたね。
「お兄ちゃん ここまでおいで〜」
香が走り回っている姿が浮かんできます。

遠〜い 遠〜い 昔のことです
虫たちとも遊んだね。
バッタやカマキリ、ありんこさん


遊び疲れて帰る時は「お兄ちゃんおんぶして……」
あの時のことを思い出しました。


香のお母さんの声も聞こえてきます。
かおちゃんと呼んでた。
「かおちゃ〜ん ごはんですよ〜」
広場おんぶ

jieitai


bonten
19歳。航空自衛隊。
こうして見ると 若いね〜! 

香は小学2年生かな? この頃

1968年(昭和43年)3月22日航空自衛隊を退職
私は、郷里の高知県中村市へ帰ることになりました。

お別れに部屋に飾ってあった人形を
香にあげたのを覚えています。
香との思い出を一杯抱いて田舎へ帰りました。

田舎へ帰って春になり、桜の花の咲く頃
香に手紙を出したようです。

小学3年生になったばかりの香から届いた手紙が
今も残っています。

「わたしもあそんだことは一しょうわすれません」
と書いてあります。

今、読み返しても感動します。
かわいい香から始めて届いた手紙です。

1968年4月の消印。31年も前のことです。

びんせんの左上に絵を描いてあります。「ぼんてん」と読めます。
この意味が31年たって分かりました。
香が飼っていた小鳥の名前だそうです。


なくなったのでしょうね。お墓を作ってあげたそうです。
優しさをいっぱい持っている香の一面です。
bonten
kotori


あれ以来、小学校の運動会のことなど、時期折々、手紙に書いて送ってくれました。

香のけなげな気持ちに胸を打たれます。
年賀はいつも干支をきれいに描いてあります。


すごく創造力豊かな少女に育っているのが分かります。
毎年、香から届く年賀が楽しみでした。
今年はどんなのが来るかな〜!

31年間の年賀や便り、捨てることが出来ず残っています。
1枚1枚に思い出が一杯つまっているんです。

香が大学生かOLの時だと思います。長い便りが届きました。
広場で遊んだこと、庭で遊んだこと
子供のころの思い出がいっぱい書いてありました。
胸にジーンときました。

「私は手が荒れていて、手をお兄ちゃんに見られると
恥ずかしいのでいつも隠してました」

これを読んだ時のことは鮮明に覚えています。
手のことを気にしたことは全くなかったのです。

何も気づかず香の手を引いて遊びに行ったものでした。
小学生の香の小さな胸の中を分かってあげられなかった。
ゴメンね
1978 nenga


1984 nenga


1982 s57.1.16 私が結婚、2年遅れて香が結婚 1984 s59.9.8
子供が生まれたのは香が先、その翌年私のところも産まれました。
aya tyan 8kagetu erina 7kagetu
香の長女、綾ちゃん 8ケ月
かわいいですね。すばらしい笑顔。
写しているのはお母さん? それともお父さん?
しあわせな家族を感じます。「ねっ 綾ちゃん」
 私の長女、恵梨奈 7ケ月
 ならべてみると良く似ています。
 綾ちゃんが1つお姉さん。



綾ちゃんに弟ができたそうです。しっかりお姉ちゃんという感じですね。
「お姉ちゃん 弟のことお願いねっ」


これからはこんな言葉をかけてお買い物出来ますね。
いつも近況を知らせてくれる楽しみな年賀です。


この写真は香の子供です。香ではありません。
年賀に貼りつけてあった子供の写真を利用して、こんなハンカチを作ってみました。


hankati


香が小学6年生の時、運動会の事を書いて送ってくれた手紙
「今年こそは1等をとりたいと頑張ったのに3等でがっかり。
お母さんとおにぎりを食べたのもきょうで最後。なんだかさみしいなあ」
と書いてありました。


香 いっしょうけんめい頑張ったのだから3等でもお兄ちゃんは香に1等をあげます。


1999年1月
上のハンカチと運動会の便りをコピーして送ってあげました。


昨年から「香」の事を思わせるような出来事が起きていた。
福井の織田町の「香織さん」という人と友達になった。「香」のように優しい人


宝ジェンヌみたいな感じの人だから、ジェンヌちゃんと呼んでます。
この人の名前は「香」を思い出させる名前だった。


香はどんなお母さんになっているだろう。会いたいなあ。



1999年2月14日バレンタインデー



今年大流行したインフルエンザにかかり寝込んでから5日目の昼
「ピンポーン」子供が玄関へ走って行く。「父さん はいっ」
差出人を見て「びっくり」「香」と書いてあります。


ワクワクしながら袋を開けるとチョコです。そして懐かしい便り
先日送ったハンカチのお礼でした。毎年見る見覚えのある字。


送ってあげた小学6年の時の香が書いた手紙
子供と一緒に読んだことをつづってあります。


「お母さんって字が上手だったんだっ」
「美的センスある〜」
「親の威厳が保てました。 セ〜〜フ♪」


いつもながら香の楽しいユーモア溢れる便り
ほほ笑ましい親子の会話が浮かんでくる手紙です。


1990214 手紙
    思い出いっぱい入った便り


次の日、香にお礼の電話をしました。
声は子供の時の聞き覚えのある響きがします。


顔はどんなお母さんになっているのか想像できません。
香の新婚旅行の時の写真を手にして、それを見ながらの電話
あぁ〜 懐かしい声が聞こえる。香 元気でしたか!


31年間で電話したのが3回。10年に1度の声の便りみたいです。
香は私が「イノシシ」だってことを覚えていました。
「お兄ちゃんはイノシシですよねっ」これにはビックリです。


神様が香に会わせてくれることになりました



3月11日は私の誕生日。3月12日に四日市で会えます。
11日は名古屋泊。ホテルでなかなか眠られなかった。


31年ぶりに会えるんですから嬉しさで一杯です。
小学生の姿しか思い出せない。


それが明日は会えるんですよ。
眠られないのも無理ないか。3時頃まで起きてたようだ


翌朝、近鉄名古屋駅9時過ぎ 香に電話。
「香っ おはよう。9時30分の電車に乗ります」


「特急ですか?」「急行です」
「階段を降りてきて下さい」
「うん 分かった」


電車の窓をボンヤリながめながら
始めて三重へ赴任した時もこうでした。33年も前のこと
ありがたいことです。あの時があるから香との出会いもあった。


kaori


四日市着 ついに来た。あぁ香に会える。
香の新婚旅行の写真を手に階段を降り
先にトイレに行って出てくると、香が走ってきた。
香は階段を降りて来る私に気が付いていたようです。
こんなに大きくなって・すっかりいいお母さんですね。


香の案内で喫茶店へ
香がくれた年賀状や便りを持っていって見せてあげました。
「これっ 私が書いたのですね」

自分で書いた記憶が残っていないので不思議な感じでしょうか。
31年間を3時間では話し尽くせませんが、31年も会えなかった
のだから3時間でも会えたことは嬉しいことです。


香は家族の写真を持ってきてました。
沖縄旅行や川へ遊びに行ったものや楽しいキャンプ
どれも幸せな家族。沖縄の海よりも香達が輝いています。


私の子供、恵梨奈が春に中学だってことを覚えてくれてます。
「中学はお弁当でしょ」子供にもお土産を買ってくれてます。
帰ってあけて見ると、お弁当入れの袋とおかずや果物入れです。
ひとこと手紙も添えてあります。

「恵梨奈ちゃん卒業おめでとう。もうすぐ中学ですね……」
やさしい心を持った香。ありがとう

通りすがりの人にシャッターをお願いして記念写真
香との写真は1枚もなかった。やっと思い出の写真ができました。


kaori


これはお兄ちゃんの「宝物」。香の手紙と一緒に大切に残しておきます。

お兄ちゃんが一番会いたかったのは香です。小学生の香のことしか思い出せなかった。
でも今は、こんなにいいお母さんになった香を思い出すことができます。


三重県へ就職したこと、香のお家へ下宿したこと、本当に良かったと思います。
かわいい香に会えましたから


ず〜と30数年もの間、「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と忘れずにいてくれてありがとう。
感謝しています。


香のことはず〜と妹のように思ってきました。これからも同じです。
ず〜とお兄ちゃんでいいよ。香 ありがとう
こんなに感動する思い出をつくってくれて、「香」は世界で一番かわいくて素敵な妹です。


ありがとう