不思議なお魚パティとラフィーネ 第 1 話 ゴホゴホさん 2000.09.11
パティの家族構成 | お母さん:ミーユ お父さん:マルーロ 長女 :ラフィーネ 次女 :パティ 長男:マーロ |
パティ | 31年前の思い出の小学生 |
お母さん ミーユ | パティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん |
お父さん マルーロ | このお話を読んでくれる方 |
弟 マーロ | 福井にお住まいの方の赤ちゃん あつき君 2000/8/30誕生 |
キララ | キラキラ星のキララさん |
織姫・彦星 | ちー姉さん・今年結婚しました |
ありんこさん | 働き者の○○ちゃん |
バッタのグーリー | お人好しの○○ちゃん |
小鳥のぼんてん | のんびり屋の○○ちゃん |
ゴホゴホ虫のコリコリ | これはだーれだ |
エンジェルyukiさま | Angelさん 天使のようにやさしい人 |
お母さんはぜんそく ゴホゴホを治してあげたいな…
パティとラフィーネは不思議なお魚です。 いつも水の中にいるわけではありません。 空を飛んだりする、とっても不思議なお魚です。 お母さんの名前は「ミーユ」 赤ちゃんをダッコしています。 赤ちゃんの名前は「マーロ」といいます。 岩の上に座っているんですよ。 不思議なお魚でしょう。 ![]() パティの家族 パティはとっても元気もの。いつも空を飛び回っています。 お姉ちゃんのラフィーネは少しテレ屋さん。 |
![]() いつものようにラフィーネは パティを連れて広場へきました。 広場はパティの大好きなところ いつか、お父さんが連れてきてくれた広場なんです。 広場にはでこぼこの小さな山が あちこちにあります。 遊ぶにはすごく楽しいところ かくれんぼも出来るよ。おにごっこも出来るよ。 かけっこも出来るんだ 草原だからころんでも痛くないんだ。 |
みんないるいる。バッタにカマキリ、ありんこさん 小鳥もやってきました。 「ぼんてん」といいます。かわった名前でしょう。 ![]() ![]() |
ありさんとパティは大のなかよし パティを見つけたありさんがいいました。 「やぁー パティ 背中にのっけてよー」 ![]() 「いいよー」 ありさんはパティの背中へかけあがりました。 「うわぁーい いいながめだなあー パティ 飛んでー 飛んで飛んでよー 」 「よしっ いくよー しっかりつかまってて!」 ヒューーーイ パティはゆっくり空を飛んでいます。 ありさんが落ちないようにしてるんだ。 「広場にいるみんなが小さく見えるね。ありんこみたい」ありさんがいいました。 「おいおい、ありんこは君だろう」 「はっはっは そうだった」 |
ラフィーネはバッタのグーリーと飛び箱で遊んでいます。 「ラフィーネ ここまで飛び上がれるかい」 グーリーはとび箱の上からラフィーネを呼びました。 ![]() 「ねぇ 待ってよー グーリー」 いきおいをつけて、ラフィーネのジャンプ! 「うわぁー 高すぎるよー」 グーリーの心配顔 あれれ パティとありさんよりも高いところまで飛び上がったぞ。 バッタのグーリーは飛んで行ってラフィーネを 背中へポトッと受け止めました。 ![]() 「あっ ありがとうグーリー ちょっと高く飛びすぎたね」 「うーん いいんだよ ラフィーネ 一緒にお空の散歩しようよ」 「お空でデートだね。 グーリー♪ 」ラフィーネがいいました。 じつはグーリーはラフィーネが大好きなんです。 「やったー うれしいなー ラフィーネはとっても大切なんだ!」とグーリーはつぶやいていました。 |
ラフィーネはパティたちといっしょに、空を飛びまわって遊んでいました。 すると、くるっ くるっと飛んだり、ヘリコプターみたいに 空でとまったりしている、赤トンボさんに出会いました。 「赤トンボさん こんにちは。私はラフィーネ」 「ぼくは グーリー」 「私は赤トンボのマチコよ よろしくね」 「私はパティといいます」 「ぼくは ありんこです」 「マチコちゃんもう広場へ帰るの?」パティがききました。 ![]() ![]() 「えぇ そうよ お母さんが 広場でまってるの……」 「じゃあグーリーとありさんも一緒にお願いします」 ありさんは赤トンボのマチコちゃんの背中に乗っけてもらいました。 「マチコちゃん じゃあおねがいね」 「はい」 「ぼくも広場へかえります」グーリーも赤トンボの後を追いかけました。 |
パティとラフィーネはみんなを送った後も、空を飛び回って遊んでいました。 遊んでいると突然、不思議な光に包まれ、光かがやく門が表れました。 ![]() 扉には何か書いてあります。
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パティとラフィーネは扉の前でお祈りしました。 でも開かないのです。 「どうして開かないの……? お姉ちゃん」 「私は思いやりがないのかしら??」「……?」 パティとラフィーネは不安そうに顔を見合わせました。 |
ラフィーネはパティを、なぐさめるようにいいました。 「ねえねえパティ…… 母さんのこと思い出してみようよ。 いつも、母さんは、洗濯や、弁当作ってくれたり、ご飯のしたくとか それに赤ちゃんの子守りで毎日大変なんだもの…… パティ 母さん 何が一番喜ぶかしら?」 ![]() ![]() パティ ラフィーネ 「うーん ぜんそくだから、ゴホゴホががひどいって……辛そうよ。 いつも 胸をさすったり、トントンしてたね」パティはいいました。 「じゃあ その事をお祈りしましょう」 パティとラフィーネは、門の前でお母さんのことを、必死にお祈りしました。 「私たちの母さんはミーユといいます。いつもゴホゴホが辛そうです。 お願いですから、母さんのゴホゴホが楽になる魔法を下さい」 「開いて下さ―――い」とお祈りしました。 しばらくすると 「パティさま、ラフィーネさま、どうぞお入り下さい」 という声が聞こえてきて 扉がゆっくりと開き始めました。やがて門は完全に開きました。 「お姉ちゃん開いたよ。入ってみようよ」 「そうね、行きましょう」 そういいながらパティとラフィーネが門をくぐってみると…… 「うわーーー」 パティとラフィーネが見たものは…… 何…… |
「すごーーい うわーー すごーーく きれーーーい ♪♪ 広場に花いっぱい咲いている景色が見えました。 ここはいつもの広場なんです。 いつも遊んでいる広場の裏側にあるんです。 やさしい人だけ入り口が開いて、天使の国へ入ることが出来るのです。 ![]() |
天使のエンジェルyukiさまがいいました。 「パティ…… ラフィーネ…… 良く来て下さいました。 こちらへ来てごらん あなたたちのお母さん、ミーユが見えますよ。 胸を押さえていますでしょう」
「あっ ほーんと ねぇ おねえちゃん 見て見てっ!」 ゴホゴホいいながら、とてもつらそうな、ミーユが見えました。 「ひどいんだね 母さん」 「いつも心配かけてるからね。ごめんなさい 母さん」 パティとラフィーネはとても心配になりました。 |
ミーユがいつものように岩に座って赤ちゃんをだっこしていると ヒラヒラと、ひまわりの花が舞いおりてきました。 「まぁ きれい ひまわりだわ……」 「パティ パティ ラフィーネ どこにいるの……」 「きれいなひまわりが舞ってるよ どこへ行ったのかしら……」 ![]() |
ミーユの体にひまわりが、そぉーとくっつき優しい声でささやきました。 「私はひまわりの精なんだ。天使さまのお使いでやってきました。 太陽の恵みをいっぱい受けたひまわりだから 体を治すパワーもいっぱいありますよ。 ミーユ ミーユ 治してあげますよ」ミーユにささやきが聞こえました。 「なおると いいなあ……」ミーユは心の中でそう思いました。 「ねぇ ゴホゴホ虫さん お願いですから、もうミーユを苦しめないで 出てきて下さい。私たちと一緒に遊びましょう。私はひまわりのマリー ねぇ 出てきて下さい」 ひまわりのマリーはお願いしました。 ![]() コリコリ 「わかったよ おいらはゴホゴホ虫のコリコリだっ!」 といいながらピョーンと出てきました。 そして、コリコリたちは広場の方へさって行きました。 「ありがとうコリコリさん」マリーがお礼をいいました。 |
しばらくすると、ミーユはゴホゴホが軽ーくなっていくのを感じました。 「あれー すごい どうして どうしてなの 楽になったわ! まあ 嬉しーい」 これは、パティとラフィーネの、お母さんへの思いやりを感じとった 天使の力なのです。 天使さまが、ひまわりのマリーに、お使いを頼んだのです。 ![]() エンジェルyukiさま パティとラフィーネは、このようすを見ていました。 「母さんっ! そのひまわりは天使さまからの贈り物なんです。 私たちは今、天使さまと一緒なのよっ…… でも、ここから母さんは見えるけど、そちらからは見えないの……」 パティとラフィーネは、ミーユに声をかけますが、 聞こえるはずがありません。 天使のエンジェルyukiさまがいいました。 「大丈夫よ パティ ラフィーネ あなたたちの優しさは通じたのよ。 安心しなさい。パティ ラフィーネ さあ戻りなさい。 戻ってお母さんの背中をやさしくさすってあげなさい。 きっといいことがおきますよ」 「いいことって何ですか? 天使さま」 「それは帰ると分かります」 ・ ・ ・ |
しばらくすると、パティとラフィーネが帰ってきました。 「母さんっ! ただいまっ!」 ![]() ![]() パティ ラフィーネ 「まぁ パティ…… ラフィーネ……どこ行ってたのよー きれいなひまわりがたくさん降ってきたのよ それでね 胸がすごーく楽になったの…… ゴホゴホしなくなったのよ」 ![]() ミーユ 「そうー 母さん良かったね。あんなに辛そうだったのに……」 そういいながらパティとラフィーネは、ミーユの背中を やさしくさすってあげました。 |
そして、ミーユにくっついている、ひまわりをのぞいて見ました。 すると、 ひまわりの花の真ん中がトンネルのようになって、向こうにお父さんの顔が見えました。 ![]() 「あっ 父さんだ! 父さーーーん」 お父さんは、以前からたびたび、あの空にある扉をくぐって、 天使の国へ行っていたのです。 お父さんはミーユをとても愛しています。 だからミーユのことが気がかりで、何度も天使さまにお願いしていたのです。 お父さんの名前は「マルーロ」といいます。 「ミーユのゴホゴホを治して頂けるなら、私は天使さまにお仕え致します。 どうかミーユを楽にしてやって下さい」 ![]() 「マルーロよ…… あなたは私に仕えてくれると言うのですか?」 「はい 喜んでお仕えいたします」 「いつ帰れるか分かりませんよ。それでもいいのですか?」 「はい 天使さま 承知しております」 |
「私に仕えてまでも?? なぜ…… そうまで…… するのですか?」 「はい 私はこれまで誰かのために尽くしたことがありません。 人のために尽くすことの素晴らしさ 誰かのために自分が役に立っていることの素晴らしさを、 私はミーユと出会って知りました。 ミーユは誰にもあたたかーい心で接します。いつも輝いています。 そのミーユのために役に立ちたい ミーユは皆んなの太陽のような存在です。希望を与えてくれます。 夢を与えてくれます。 ミーユは本当の思いやりを持っています。 天使さま、私とひきかえにしてもいいです。 私はミーユのために役に立ちたい…… だからミーユを楽にしてやって下さい」 |
「わかりました ミーユの日ごろのことは十分承知しています。 マルーロ あなたのいう通り、思いやりと優しさを持っているミーユ 皆んなの太陽を苦しめてはいけませんね。 虹のように、そして太陽のように、輝いていてもらわなくてはなりません。 マルーロ ミーユのことは心配いりません。使いの者を送ります。 マルーロ 約束ですよ あなたはここに残りなさい」 ![]() 「はい」 こうしてミーユのゴホゴホを治してもらう代わりに お父さんは、天使さまにお仕えする約束をしていたのです。 ひまわりのトンネルの向こうから パティの大好きなお父さんの声が聞こえてきました。♪ ![]() 「パティ…… ラフィーネ…… 父さんはいつもみんなを見ていますよ。 でも、天使さまとの約束でおりていくことは出来ません。 母さんは みんなの太陽です いつも輝いている ミーユ ミーユが父さんは大好きです。とても大切なミーユ 出会えたことに感謝しています。ありがとう ミーユ」 |
すると、天使さまの声が聞こえてきました。![]() 「マルーロ…… マルーロ…… 帰ってあげなさい。 このひまわりのマリーに乗って、天の川を渡れば帰れます。 さぁ 急いで…… 天の川は1年に1度しか表れませんよ。 あなたは十分すぎるほど私に仕えてくれました。 さぁ はやく 天の川が消えないうちに行きなさい。 パティやラフィーネ、ミーユそしてマーロの待っているところへ帰りなさい」 「あぁー 天使さま ありがとうございます」 ![]() |
ひまわりに乗って天の川を渡ると、お星さまがいっぱいでした。 「うわーー きれーい……」 マルーロは海のようなお星さまを渡りました。 お星さまの間をスーイ スイーと渡りました。 「あっ 彦星さまー 織り姫さまー 1年に1度会えるんですね。 思い出を一杯作って下さーい」 「ええ ありがとう 君はどこへ行くのかい?」 「大好きな家族のところへ帰って来ます♪」 「そう 気をつけて行ってらっしゃい。 また会えるかい?」 「うん 会えるよ。 織り姫さまお元気で……」 「あなたも気をつけてね」 天使さまにお仕えしている、きらきら星の「キララ」もお見送りにきました。 ![]() 「マルーロ……♪ いってらっしゃーーい 気をつけてね」 「あっ ありがとう キララ みんなにキラキラを下さいね」 |
マルーロが渡ってきた天の川は ひまわりのトンネルに通じていて パティがのぞいていたトンネルの中から、ひまわりが飛び出してきました。 ![]() ひまわりには 「パティ ラフィーネ これは天使からの贈り物です」 と書いてありました。 飛び出してきたひまわりは、虹色に輝きながら お父さん、マルーロに変わりました。 「ただいまっ!」マルーロがいいました。 ![]() こうしてお父さんはパティとラフィーネ、ミーユ、マーロのところへ帰って来ました。 天の川が消える日には、また、天使さまのところへ戻らなければなりません。 その日までマルーロは、パティとラフィーネに思い出をいっぱい作ってあげました。 |
お わ り