不思議なお魚パティとラフィーネ 第 9 話 お母さんの詩(うた)   2001.07.11

 
第 9 話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
ピンクのイルカさん三重県のとても優しい素敵なお母さん。本当は下宿先の奥さま
イズミ先生二の町・トマト病院の優しい先生
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


三重のお母さんが病気になりました。はやく元気になって・


 童話を書いている私の、大好きなお母さんが病気になりました。
 三重県に住んでいる お母さん。素敵なお母さん…… 大好きなお母さん


おかあさん
おばさま


 でも母ではなく…… 本当は……下宿先の奥さまなんです。
 このお話の中ではパティの「おばさま」ということにします。


 パティもラフィーネもお母さんミーユもとっても悲しいです。
 あんなに元気だったのに…… どうしてなの……


 悲しい知らせが届いたのは、ひとつき前のことでした。
 具合が良くないので検査のため入院するという知らせがありました。
 フルーツ村の「二の町・トマト病院」へ入ったそうです。


イズミせんせい トマト病院
イズミ先生


 そこには優しい優しい「イズミ先生」がいます。
 パティやラフィーネも広場でころんだ時、治してもらった先生だね。
「なら安心だ」



 パティは「おばさま」のことがとても心配です。
「母さん、おばさまのためにいいものを探してきます」
 ミーユにそういうと、パティは天に向かって飛んで行きました。


パティ
   パティ


「エンジェルyukiさまー おばさまが病気なの どうしたらいいの……
 おばさまを元気にするには、何がいいの 教えて下さい」
 yukiさまはすこし考えて言いました。


yukiさま
エンジェルyukiさま


「そうね。おばさまに大切なものは、
 アーモンドに玉ねぎに、長いもにリンゴですね」


「野菜とか果物なんですね」


「パティ ほら そこをみてごらん
 音楽を奏でる幸せのリンゴ 赤いのと青いのと…
 スィートな恋を導くアーモンド…

 サラサラッと さわやかな愛をはぐくむ玉ねぎさん
 ねばっこーいけど、みんなを優しく包み込む 長いもさん
 みんな天使の畑にありますよ。


 どうぞおばさまに持って行ってあげなさい。
 パティの優しい心に打たれましたよ……
 いくらでもお持ちになりなさい」


   ♪    ♪
      ♪
 ♪ 
赤リンゴ ♪ 青リンゴ ♪ 
アーモンドながいも
玉ねぎ玉ねぎ
  ラブラブ♪


「はい ありがとうございます。 エンジェルyukiさま」


パティ
パティ


「パティ yukiからミーユにもよろしくね」

「はい わかりました」


 天使の畑からの贈り物を、たくさん持ってパティは帰りました。


「ただいま 母さん」
「おかえり パティ」


「母さん 母さん 見て見て これね 天使さまに頂いたの」
「まあ 体にいいものばかりね。 パティ」


ミーユファミリー


「それから、yukiさまが、母さんによろしくって……」

「いつも上から見守ってくれてるのね。yukiさまは……
 おばさまの病気のこともご存知なのね。ん きっと
 さっそくおばさまに食べて頂きましょう」
 


 長いもはとろろにしましょう。
 玉ねぎはスライスしてサラダにしましょう。


ながいも 玉ネギ


 その上にアーモンドをのっけて…… 牛乳と一緒に食べてもらおうね。

 リンゴは皮つきのまま8つに切ってと……カタ カタ カタ


赤リンゴ ♪ 青リンゴ ♪ 


「おばさま おばさま 食べてみてーー♪」 パティの声
「天使さまから、いただいたのよ きっと元気になります」


「まぁ 天使さまのところまでー
 そんなに遠くまで行ってきたの…… 私のために…… ありがとうね パティ」

 おばさまの目に涙がうるんでいます。


サラダお母さん



「だって おばさまは大切な 大切な人なんですもの
 父さんから聞きましたよ。
 父さんが若い頃、おばさまのお家に住んでたのですって……
 その時、おばさまは本当のお母さんのように優しくしてくれたって……
 だから、こんどは父さんに代わって、おばさまにお返しする番なの……
 おばさま おばさま 元気になって下さいね」


 父さんは、おばさまに、こんなことを教えてもらったって言ってました。


父さん


「人に愛されるより、人を愛する人になりなさい。
 人を愛し 優しく 親切にしてあげなさい。


 頑張る人 困っている人 そんな人がいたら力を貸してあげなさい。
 手をさしのべてあげなさい。そこにはきっと素敵な笑顔がイッパイになります。


 でも、忘れてはいけないこと… それは 『見返りを望んではいけません。』
 愛されなくとも 人を愛し… 人を愛する人になりなさい。
 そうすれば、きっと幸運があなたの元にやってまいります」



 おばさまは、遠い昔を振り返っているようでした。


「そうねぇ30数年前だったかしら…… そんな話をしたように思います。
 今は、私に愛情を下さいますのかしら…… ほんとに嬉しいですわ」


パティお母さん


「おばさま 父さんは、おばさまに出会えたことをとても喜んでいました。


 人との出会いの素晴らしさを教えてくれた お母さん
 ほんとのお母さんではないのに、愛情をいっぱい注いでくれたお母さん


 困った時、悩んだ時、迷った時、勇気を出して一歩前へ進んでみるのよ……
 前に進まないで、私のところへ戻ってきてはいけません。
 戻ってきても、弱虫さんには会いませんからね。 わかりましたか。


 たくさんの……大切なことを教えてくれた お母さん
 そんなお母さんに感謝してるって言ってました」


「まぁ そんなに私の事を…… ありがとう うれしいですわ」



「パティ これ毎日食べますからね」

サラダお母さん


「おばさま 元気になってお唄をうたいに行きましょう」


「そうね はやくそうしたいわ」
「がんばりますね。 パティ!」


「大好きなあの広場で、おばさまとまた遊びたいな」
「えぇ ぜひそうしましょう」


広場
三重県久居


 おばさまは 食事と病院での治療のおかげで、段々元気になりました。
 今は、退院しておうちへ帰っています。


 あぁー よかった 安心です!



  お わ り