不思議なお魚パティとラフィーネ 第46話 イチョウさん 2018.12.06s
パティの家族構成 | お母さん:ミーユ お父さん:マルーロ 長女 :ラフィーネ 次女 :パティ 長男:マーロ |
パティ | 31年前の思い出の小学生 |
お母さん ミーユ | パティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん |
イチョウさん | テニススクールの入口にあるイチョウ |
風さん | やさしい風を吹かせる風さん |
風小僧さん | いたずら好きの風小僧 |
ミーちゃん | しんせきのお姉さん・保母さんです |
エンジェルyukiさま | Angelさん 天使のようにやさしい人 高知市にお住まい |
黄色になって散っていく イチョウさん
パティの家族は不思議なお魚です。 いつも水の中にいるわけではありません。 空を飛んだりする、とっても不思議なお魚です。 今日は、家族で、いつも遊び場にしている広場へきています。 広場のそばに、大きなイチョウの木があります。 |
![]() パティの家族 |
冬になりお正月まで1ケ月を切りました。 イチョウの木も黄色に色どられ、葉っぱも落ち始めました。 風が吹く度にパラパラパラパラと舞い落ちています。 「母さん イチョウさんと遊んできていい?」 「いいですよ」 「じゃあ 行ってくるね」 「仲良くしてもらうのよ」 そういうとパティは空に向かって飛びあがりました。 「イチョウさん イチョウさん こんにちは わたしは パティといいます」 ![]() 「こんにちは おさかなさん」 ![]() 「とっても きれいな 黄色になりましたね」パティがいいました。 ![]() 「ええ 秋もすぎ、冬になりますから、寒さを超える準備をしています。 あの木の葉っぱ、ぜんぶ落ちてしまいます」 「ええー そうなの あんなに黄色で、きれいなのに……」 「そうしないと、幹のお母さんが大変なの……… 葉っぱが付いていると、みんなに栄養を与えないといけないからね。 冬を越すには身軽にしておかないと、いけないのよ」 「葉っぱが落ちる木は他にもありますね」 「ええ みんな 冬を乗り越えるためなんです」 「そうだったのね。私、何も知らなくて……」 「パティさん いっしょに遊びましょうか?」イチョウさんがいいました。 「はい イチョウさんとお空でダンスしたいです」 ヒューイとイチョウさんとパティは空を飛んでいます。 ほかの葉っぱさんも ヒラ ヒラ ヒラ ヒラと舞っています。 とっても、なごやかな風景です。 「風さん 風さん すこしゆっくり ふわーと吹いて下さい」 「いいですよ そーれ いきますよ」風さんがいいました。 「はい おねがいします」 |
ゆらーり ゆーらり ゆーらり ひゅーーい 風さんに揺られて 木の枝からイチョウさんがパラパラと飛び散り ヒラーリ ヒラーリと舞いはじめました。 パティは、イチョウさんとお空でダンスをするように、舞っています。 「パティさん どう たのしいですか?」イチョウさんがききました。 「ええ とってもたのしいです」 「イチョウさんにはたくさんの兄弟がいますね。 もう数えきれないほどです」 「おさかなさん こんにちは」 「こんにちは」「こんにちは」「こんにちは」沢山のイチョウさんがいいました。 「こんにちはイチョウさんのなかまたち」 ![]() ![]() ![]() ![]() パティのまわりには、イチョウさんが沢山あつまってきました。 ヒラヒラと舞い落ちる間、パティは寄り添っています。 地面に落ちてしまうまで、いっしょに舞っています。 こんなにきれいな葉っぱなのに、黄色になると、やがて散ってしまいます。 |
「パティさん、今は落ちてしまいますが、春には緑の葉っぱが沢山でてきます」 「そうですね 私の町でも、春には緑いっぱいのイチョウさんを見かけます」 「落ちた葉っぱをあのままにしておくと、車にひかれてしまいます」 「そうだね 葉っぱにタイヤのあとが付いているのもありますね」 「パティさん 下を見て下さい。 落ちた葉っぱをいつも掃除してくれる人がいるんです」 「そうなんですか」 「ええ そこのテニススクールで、春から働くようになったおじさんなの」 「えっ 父さんかな もしかして……」 「毎日のように、落ちている葉っぱを掃除しているんですよ。 おかげで、木の下にかたずけられています。きれいでしょう」 ![]() 「ええ あんなに沢山のイチョウさん とてもきれいです」パティがいいました。 「きれいにした後に、すぐまた葉っぱが落ちてしまうんです。 なんだか気の毒だなあ……と思います。 いたずら好きの風小僧さんが、フューー と吹いてくると あちこちでパラパラ パラパラと散ってしまうんです」 「風さんも楽しんでいるんですかね?」 「そのようね 風さんにも、やさしい風さんと いたずらばかりしてる風小僧さんがいるの…… 風子憎さんの時は、吹き飛ばされて、葉っぱがクルクル宙返りしてしまいます。 風さんは、やさしくフワーリ フワーリとお空を泳いでいるような感じになるのよ」 「フワーリ フワーリと舞って、ワルツを踊っているようですね」パティがいいました。 「そう そう そんな感じです」 |
その時、天の方から声がしました。 「パティ こんにちは」 「あっ 天使さま エンジェルyukiさま」 ![]() エンジェルyukiさま 「イチョウさんに寄り添っているパティを見ていましたよ。 イチョウさんも、短い時間を精いっぱい生きているんです。 枯れ落ちた葉っぱの下には、色んな生き物がいます。 寒い冬を越すための、おふとんにもなるのよ」 「そーかー ふわふわですものね」 「そうですよ ミミズさんや小さな虫さんなど、生き物が大喜びしています。 みんなイチョウさんに感謝しているんです」 「イチヨウさんの葉っぱは、誰かの役にたっているってことですね」 「そうですよ パティも誰かのために……ということを忘れないでね」 「はい そうします」 |
「パティ しんせきのお姉さんが結婚したそうだから、見せてあげますね。 ミーちゃん って呼ばれていたお姉さんです。パティはあまり会ったことはないですね」 「そうねえー あまり覚えてないです」 「パティ あそこのイチョウの葉っぱを拾って来てください。出来るだけ多くね」 「はい エンジェルyukiさま」 パティはそう返事をすると、両手いっぱいのイチョウさんを集めてきました。 「エンジェルyukiさま これでいいですか?」 「はい 十分です。よく見ててね」 そういうと、天使さまは、指で天に向かって大きな輪を描きました。 すると、指のあとを追いかけながら、イチョウさんたちが浮きあがり お空にリングが出来ました。 ![]() 「パティ イチョウさんの輪の中をのぞいてごらん」 「はい」 パティがのぞいてみると、イチョウ並木で大はしゃぎする二人の姿がありました。 ![]() 「パティ あの二人は、ミーちゃんと旦那さまですよ」 「そうなんですか。幸せいっぱい、という感じに見えますね」 「ミーちゃんは保母さんですから、天使の国の保育園にもきてもらっているのよ。 子供エンジェルたちをみてもらっているの……」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「えっ そうなんですか。じゃあ私も会うことがあるかも知れませんね」 「そうですね 今度きたときに、会えると思いますよ」 パティは、エンジェルyukiさまから、天使の国へ入ることを許されているのです。 「エンジェルyukiさま ミーちゃんを見せてくれてありがとう」 「いいえ どういたしまして」 ミーちゃん 幸せになってね |
お わ り