不思議なお魚パティとラフィーネ 第31話 思い出をたずねて    2009.05.05s

 
第31話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
アーヤ基地のある町のお店にいたやさしい方
ひまわりのマリー天使さまに仕えています
キララさんキラキラ星の精
コスモスさんコスモスの精
パティの仲間小鳥さん、バッタさん、ありんこさん、てんとう虫さん
チョウチョのアイちゃんユーくん
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


思い出をたずねて  とーーい昔へ行ってみましょう


「パティ 40年前へ行ってみましょうか……?」
「そんなことできるの…… 母さん……」


「yukiさまなら、できますよ」


「そうか 天使さまにおねがいするんだね」
「ええ そうですよ 行ってきてくれますか?」


パティの家族


「はい おねがいしてみます」


 そういうと、パティは、コスモスの花のまん中へ、入っていきました。
 広場のコスモスの花は、天使の国へつながっています。


コスモス


「天使さまーー エンジェルyukiさまーーーー」
「はーーい 何ですか? パティ……」


「お願いがあってきました」 「どんなねがいですか?」
「ずーーと ずーーと 遠い昔へ行きたいの……」


「どれくらい前ですか?」
「母さんが、40年くらい前だっていってます」


エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま


「いいですよ。 どこら辺へ行きたいですか?」

「えーーと 飛行機が飛んでて…… 近くの湖にロープウェイがあって……
 基地のある町、は・ま・ま・つ ってとこなの」


ロープウエイ


「そうなの そこには何かあるのね……」


「いつも笑顔のアーヤがいるの、足が長くて、スラーーとしてて……
 細おもてのかわいい……の」


「そう 何かとっても大切な思い出があるのね」
「ええ 父さんが18の頃、訓練してたとこなの……」


「そうなの いいですよ。あんないしましょう」


「マリーにお願いしましょう」天使さまがいいました。
「マリー ひまわりのマリーや きておくれ……」


エンジェルyukiさま    ひまわり
エンジェルyukiさま   マリ−

「はい 何かごようですか? 天使さま」
「パティたちを、は・ま・ま・つ まで送っておくれ」


「はい しょうちしました」


「左に回りながら進むんですよ。遠い昔へむかいますからね。40回ですよ」
「はい 行ってまいります」

 そういうと、パティたちは、思い出をたずねる旅にでました。


 途中でキラキラ星のキララが、星の川を作って待っていました。

「パティ マリー 天使さまから聞いていますよ」キララの声
「さあこの星の流れに乗りなさい」


「キララさん ありがとう」


キララ星


 パティたちは、星の流れにのって、長い長いときをもどりました。



「母さん 飛行機が見えてきましたよ」
「ほんと あそこね、きっと アーヤのいるところは……」


「兵隊さんがたくさんいますね。母さん」
「ええ ここは基地の中ですからね」


パイロット


「飛行機のそばにいるのは、父さんかな……?
 ずいぶん若いね」


「この頃、まだ18ですからね」


 基地の中に、お店が見えてきました。

「行ってみましょう。アーヤもいるよ。きっと……」


アーヤのお店
アーヤのいるお店


 せっけん、歯ブラシ、はみがき、色んなものを売ってますね。
 うーーん…… アーヤはどこかな……


「背が高くて スラーとしてて 笑顔の フラミンゴさん。
 あっ あの方がきっとアーヤよ。 テキパキ応対している方
 名前をみてみましょう。 何て書いてるかしら?」

「母さん  ア − ヤ って書いてます」


パティアーヤ
   パティ     アーヤ



「そう良かったね。 見つけたね。アーヤさん」


「こんにちは。フラミンゴのお姉さん」
「こんにちは お魚さん」


「アーヤさんですね」


「はい そうです
 誰っだったかしら…… んーー どこかでお会いしましたか?」


「私はパティ 母さんはミーユ、お姉ちゃんはラフィーネといいます」


パティの家族


「私のことを知ってるの……?」
「はい 知ってますよ。アーヤお姉さん」


「どこでお会いしましたか?」


「んーー ん アーヤさんは知らないの……
 私は40年先の、アーヤのことを知ってるの
 未来からやってきましたから……」


「まあ そうなの じゃあ 私は、その頃どうしてるのか、知ってるのね」


「はい 知ってます。アーヤは菜の花のいっぱい咲く町へ、住んでいます」


菜の花


「へェーー そうなんだ」


「はい ここからずいぶん遠く離れたところです」


「今のお住まいは、いなさぐん ほそえちょう……ですか?」


「はい そうです。まあ よく知ってますね」

「このあとアーヤが教えてくれるんですよ。引くに佐って書くのよ、って……」
「えーー そうなの……」


アーヤのベスト


「それに このベストは、アーヤが菜の花の町へ行ってから、送ってくれました」
「これを 私が……」


「はい そうです」


「身長と体重を、電話で聞いただけで、大きさを想像して編んだそうです。
 ピッタリなんです。色もいいですし…… センスいいね。 アーヤは……」


「私、手芸は大好きなの、母から習ったの……」


「これから先ずーと、お正月には便りが届きますよ。40年……」
「まあ ほんとー そんなに長く……」

「ええ だから今日、こうして過去のアーヤに会いに来ました。
 想像してた通りです。笑顔の素敵な、フラミンゴのアーヤさん」

「まあ うれしい。ありがとう パティ」アーヤの声


エンジェルyukiさま   パティ


「パティ アーヤに会えて、よかったですね」
「あっ 天使さま。むかしへ送ってくれてありがとう」


「アーヤはどんな方でしたか?」
「とっても素敵です。 アーヤさん」

「パティ あそこを見てごらん。若い二人が、お店へ向かってますでしょう。
 お父さんの若い頃ですよ」


「あっ 一緒にいるのは仲良しの…… 不思議な体をしてる人……
 心臓が右にあるって、父さんからききました」


「二人の写真が、アルバムにあったね。母さん」
「ええ 大の仲良しって、いってました」


パティの家族


 この二人は、このあと別々の町へ行きますが、その10年後偶然再会します。
 それは二人が、ここで習ったコンピュータの仕事を続けていたからです。


「ほらほらお店に入ってきましたよ。
 アーヤのところへ行くことになってますけどね。
 どうなんでしょう? 少し離れて、ようすを見てみましょう」


「このころの父さんは、私たちのこと知らないんだね。 母さん」
「ええ そうよ 私たちは未来からきたのですからね。
 会っても誰だか分かりません」


「いらっしゃいませ」アーヤの声
「アーヤさんすみません。お願いがあるんですが……?」
「はい なんでしょう」


アーヤアーヤアーヤ
 アーヤとお店の方たち


「ここでの勉強が終り、他の町へ移ることになったんです」
「それは おめでとうございます。それで どちらへ……」


「三重のほうへ……」

「そうですか」


「荷物を送るのにダンボール箱がほしいのですが……」

「いいですよ探してみます。 ちょっと待ってください」
 イヤな顔もせず探してくれるやさしいアーヤ


アーヤ  アーヤとダンボール


「こんなのでいいですか?」天使のような笑顔のアーヤ
「あっ それでいいです。ありがとうございます」

「どういたしまして。 三重へ行ってもがんばってください」

「パティ…… これがアーヤとの出会いなんですよ」天使さまがいいました。

「ここからはじまって、40年…… 今があるんです。
 パティのお父さんは、出会いをとても大切にするんです。
 実は…… アーヤはね、菜の花の町へ行ってから10年くらい……
 葉書が届いてたのをしらなかったのよ」

「ええっ どうして」


はがき


「葉書はこの町に届いてたの…… でもアーヤはもうこの町にはいなかったのね。
 アーヤのお母さんが、お正月になると届く葉書を大切にしていてくれたの。
 10枚の葉書をアーヤの住む町へ届けてくれたんです。
 それから、また、葉書が行ったり来たりするようになるの」


「じゃあ お母さんが届けてくれなかったら、今日のこの日はなかったのね」
「そうですよ。パティ」


「アーヤのお母さんに感謝しないといけないね。母さん」
「そうですね」



「パティ このことはまだ、今のアーヤには分からないのよ」天使さまの声
「これから起こることなんですからね」


「あっ そうか 私たちは、未来からきたんですものね。
 今は、知らせないほうがいいのね」

「ええ そうね」


 そのとき、声がしました。
「アーヤさん、私たちも会いにきましたよ」


小鳥 バッタ アリンコ てんとう虫 愛ちゃん ユークン


 小鳥に、バッタにありんこさん、てんとう虫にチョウチョのあいちゃんもいます。
 ひまわりのマリーの花びらに、くっついてきたんです。


「アーヤさん はじめまして。私たちはパティの仲間です。
 空を飛べますから、どこへでも行けます」


「まあ かわいい皆さんですね。私も仲間に入れてもらえるかしら……?」
「はーーい アーヤなら喜んでお迎えします」


パティの広場


「これから、ずーーと 何十年たっても仲間ですよ。
 私たちは、パティの広場へ行くと、いつでもいますから……」


「はい ありがとう みなさん」


 ミーユが言いました。
「アーヤにも会えましたし、そろそろ 戻りましょうか? 元の世界へ……」

「はい 母さん」


「アーヤさん 40年先で会いましょう。
 その時のアーヤも、今のようにきれいですよ」


アーヤミーユ
  アーヤ   ミーユ


「まあ うれしい ありがとう。
 みなさん、気をつけてお帰り下さい」


「さようならーー アーーヤ……」
 パティたちは、アーヤに見送られ元の世界へ戻ることにしました。


「ひまわりのマリーさんお願いします」
「はい わかりました。 さあ 行きましょう」


ひまわり


 戻る途中で、アーヤが荷物をまとめて旅立つようすが見えました。
「母さん あれは、アーヤが菜の花の町へ行くところだね」


「ええ そうですね。父さんはこのことを知らないのよ。
 でも、ずーと後で分かりますから今は知らせてはいけません。
 さあ もどりましょう」


「はい」
 

町


 人生は人との出会いからはじまり、出会いは人生を楽しいものにしてくれます。




 お わ り