不思議なお魚パティとラフィーネ 第38話 葉っぱさん    2012.12.05s

 
第38話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
葉っぱさんイチョウの木にある沢山の葉っぱたち
木の実さん葉っぱの下に落ちている木の実たち
イチョウの木葉っぱさんのお母さん
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


イチョウの葉っぱがパラパラ舞い落ちています


 パティの家族は、いつもの広場にきました。

「母さん」
「なあに パティ」

「あそこの、木の葉っぱが、パラパラ舞い落ちているね」
「そうね。キイロの葉っぱがきれいね」

 風がふくたびに、パラパラ パラパラと散っています。

「母さん 向こうへ行ってもいい?」
「いいですよ」


パティの家族
   パティの家族


 パティは、葉っぱの落ちてくる木の方へきました。
 パティの頭に葉っぱさんが、落ちてきました。


「こんにちは 葉っぱさん 私はパティといいます」
「こんにちは おさかなさん。私はイチョウです」


葉っぱさん


「とってもきれいですね。葉っぱさん」
「ありがとうございます」


「でも、あんなにミドリ一杯だったのに、キイロになったのね」


「ええ、冬が近づくとキイロになって、落ちてしまうの
 最後は一枚ものこりません。それは木を守るためなんです」


「そうなんですか。葉っぱが落ちるのには、理由があるんですね」


イチョウの木


パティ
  パティ


「寒い冬の間も、私たち葉っぱが、たくさん付いていると
 お母さんは、根っこから沢山の養分を、吸い上げないといけません。

 だから、秋からだんだんとキイロになって、落ちていくの…
 そうすると、お母さんは自分の木だけに、養分をとればよくなります。
 お母さんに、負担をかけたくないの……」


「そうなの、えらいですね」


「散って落ちても、私たちは役に立っているんですよ。
 あの葉っぱの下にいる虫さんたち
 みんな 私たちを待っているんです。
 これから寒くなるので、虫さんのおふとんになるんですよ。
 ポカポカあたたかくして、冬をこせるように……」


落葉


「そうなんですか。虫さんもうれしいことですね」

「はい とても喜んでくれます」


「おふとんのあと、葉っぱはみんな土の中へ、養分となって入っていきます。
 そして、山で作られた養分は、雨とともに川へ流れていきます。

 川の生き物たちにも、養分を与え、長い長い旅をして、やがて海へでます。
 海の生きものたちにも、山で作った大切な養分を届けます」


 その時、天の方から声が聞こえました。
「パティ 森の妖精サーヤを覚えていますか?」

 天を見上げると、パティの大好きな天使さまがいました。
「えっ あっ エンジェルyukiさまー」


エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま


「えーーと うーーん…… 森の生き物の研究をしている、お姉さんですね」

「そうですよ。思い出したようね。(第20話)
 サーヤのお友達の、アリさんや虫さんや土をたがやすミミズさん。
 葉っぱの下には、色んな生き物がいますね」

「こんにちは。虫さん アリさん ミミズさん。
 少しだけ見ていいですか? 虫さんたち」パティは、葉っぱをめくっていいました。

「大丈夫ですよ。少しだけなら…」
「はい。そうします」

「葉っぱがあると、あたたかいですか?」パティが声かけました。

「ええ これから冬になるけど、とってもポカポカです。
 葉っぱさんのおかげです。ありがとうございます」虫さんがいいました。


 葉っぱがいいました。
「どういたしまして。誰かの役に立っていることは、うれしいことです」
 一年で散りゆく私たちですが、自然の中ではそれぞれ意味のあることです。
 短い一生を終えますが、誰かのために役に立つということは、素晴らしいことです」

「パティ」

「はい 天使さま」

「森の妖精サーヤもいってましたね」

「生き物はみんな、つながりがあるって……
 だから、自然をこわしたりしないで、大切に育てなくてはいけないの…」って

「はい 覚えています」


「葉っぱさん。春になれば妹や弟がたくさん芽生えますね」

「ええ、一枚の葉っぱもなくなった木に、緑がいっぱいになるんです。
 仲良くして下さいね。パティさん」

「はい 葉っぱさん。 大切にします」

 天使さまがいいました。
「パティ 葉っぱさんに、とても大切なことを教えてもらいましたね。
 これから、葉っぱさんを見る目が変わりますでしょう」

「はい 天使さま。みんな何かの役に立っているんですから、落ち葉も大切にします。
 思いやる気持ちを、大切にってことですね」

「そうですよ。いつまでも忘れてはいけません」

「はい」


木の実さん


「パティさん 私たちも忘れないで……」
 葉っぱの下から、木の実が顔をだしています。

「あっ 木の実さん」

「私たちはリスさんのごはんになるんです。
 新しい芽を出す木の実もあります。
 自然の中には、ムダな物は、ひとつもないんです。
 みんなが手をつないで、誰かが誰かの役に立つように、出来ているんです」

「ほんとに そうですね。木の実さん 葉っぱさん。
 大切なことを、教えてくれてありがとうございます」


 パティは木の実さんを、いくつか拾いあげました。
 足をつけ、頭をつけ、しっぽも付けました。


「木の実さん。見て 見て…こんなのが出来ました。
 ほら 歩いていますよ」


木の実の馬


「パティさん ありがとう。子供たちの遊び相手になりますか?」木の実がいいました。
「なりますとも。みんな大切な仲間として、迎えてくれますよ」

「うれしいな……」

 自然の中にあるものは、工夫すれば何にでも利用できますね。
 自然をこわさないようにしますね。

 パティは森の生き物たちに、そう約束しました。


 お わ り