不思議なお魚パティとラフィーネ 第23話 ばあちゃん 2005.12.16
パティの家族構成 | お母さん:ミーユ お父さん:マルーロ 長女 :ラフィーネ 次女 :パティ 長男:マーロ |
パティ | 31年前の思い出の小学生 |
お母さん ミーユ | パティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん |
ばあちゃん | パティのおばあちゃん ふるさとホームで生活しています |
タクシー屋さん | 幸せを運ぶタクシー屋さん 車イスのまま運んでくれる |
ルミさん | ふるさとホームの親切な寮母さん |
キョーコちゃん | ふるさとホームの親切な寮母さん |
ドリイさん | ふるさとホームの親切な寮母さん |
ナーナさん | ふるさとホームの親切な寮母さん |
レイリー | 虹の精レイリー 天使さまにお仕えしています |
虹の子供たち | レイリーの仲間たち 天使さまにお仕えしています |
マリー | ひまわりの精マリー 天使さまにお仕えしています |
キララ | キラキラ星のキララ 天使さまにお仕えしています |
エンジェルyukiさま | Angelさん 天使のようにやさしい人 |
ばあちゃんのお誕生日に行きたいな…
「パティ ばあちゃんに会いに行きましょうか?」 ミーユがいいました。 ![]() 「うん いいよ」 「お盆がくると、すぐばあちゃんの誕生日だからね」 「8月20日だったね。母さん」 「そうよ よく覚えてたね」 パティのおばあちゃんは、ふるさとホームというところにいます。 お年寄りの方たちが、暮らしているところです。 やさしい親切な寮母さんたちに囲まれて生活しています。 そこへは、お船で渡ってから、車で長い時間走ると行けます。 朝出ても夕方にならないと着きません。とっても遠いんです。 「母さん、タクシー屋さんにお願いしましょうか?」 「そうね それがいいね。親切な方だから…」 「ちょっとお願いに行ってきていい…? 母さん」 「いいよ ていねいにお願いするのよ…」 「はい」 そういうとパティは天に向かいました。 「まってよー 私も行くーー」ラフィーネが追いかけてきました。 二人で、幸せを運ぶタクシー屋さんのところへ向いました。 タクシー屋さんは、お客さまを乗せる車をピカピカにみがいているところでした。 「こんにちは タクシー屋さん きれいになりますね」 ![]() パティ 「やあ パティ こんにちは」タクシー屋さんは手を休めながら言いました。 ![]() 幸せを運ぶタクシー屋さん 「みんなに気持良く乗ってもらうために、きれいにしているんです。 清潔でないと、乗ってても気分が、暗くなってしまいますから…… 私たちの仕事は、皆さまに心の中から、喜んで頂くことなのです」 「思いやることが、大切なんですね」 「ただ、言われた所まで運ぶのが仕事ではありませんよ。 おじいちゃん、おばあちゃんの子供になった気持ちで、 お話しながら送って行くのです」 「気持の通じるタクシー屋さんですね。 おじいちゃん、おばあちゃん喜ぶでしょうね」 「私たちは、喜んで頂けた時が一番嬉しいんです。 お役にたてたんだなっ!と感じることが…明日につながりますから…」 「ふるさとホームにも、お姉さんやお兄さんが沢山います。 みんな、そんな気持なんですね」 「きっと、そうだと思いますよ」 |
「そうそう 何か用事があったのではありませんか? パティ」 「ええ ばあちゃんの所へ行きたいの…誕生日ですから……」 ![]() パティ 「ああ そうですか 行ってあげたら喜ぶと思うよ。おばあちゃん」 ![]() 幸せを運ぶ タクシー屋さん 「うん 喜んでくれるけど、ばあちゃんは お話しててもすぐ忘れるの…… どこから来たのって言うから… 天使の町からよって言ったの… そしたら、しばらくすると、また、どこからきた?って聞くの… それで…また… 天使の町からよって 答えるの」 ![]() ばあちゃん 「それはね パティを、からかってるんじゃないからね。 何回でも答えてあげるのよ…やさしく…やさしく…」 タクシー屋さんはやさしく、いいました。 「はい わかりました。 そうします」 「タクシー屋さん 送って頂けますか? 母さんが頼んでみてって……」 「いいですよ。パティは、おばあちゃん思いだからね」 「うわあーい ありがとうございます」 「じゃあ お母さんの所へ行きましょうか?」 パティはタクシー屋さんを連れてミーユの所へ戻って来ました。 |
![]() パティ その時、天の方からエンジェルyukiさまの声がしました。 「パティ えらいよ♪ おばあちゃんの所へ行くのですね」 ![]() エンジェルyukiさま 「あっ 天使さま ばあちゃんのお誕生日なの…」 「おばあちゃん淋しい 淋しいって言ってますよ。 とっても喜びますよ。 ごほうびに魔法をかけてあげましょう。 天をみてごらん。いっぱいのお星さまでしょう」 「うわー すごーーい 落ちてきそうー」 「ほんとはね。空にはたくさんの星があります。 でもね、人々が多く住んでいる町では、空気が汚れてて見えない星があるの」 「そうかー、ばあちゃんの田舎へいくと、いつもお星さまがいっぱい見えるの… キラキラ キラキラ 光ってて、宝石みたいなんです」 パティは、おばあちゃんの田舎で見た、空のことを思い出していました。 「パティ おばあちゃんのいる所まで橋をかけてあげますね」 「うわー うれしいな ありがとうございます。天使さま」 「キラキラ星のキララや…仲間たちを呼んでおくれ」 「はい かしこまりました エンジェルyukiさま。 みんなー yukiさまのお呼びですよ」キララが声をかけました。 ![]() キララ きれいな星が沢山出てきて、少しずつ長―くのびていきます。 ドンドン ドンドンのびていきます。やがてお星さまの橋ができました。 「さあタクシー屋さん どうぞここを渡って下さい。はやく着きますから…… パティたちをお願いしますね」 「はい わかりました。どうぞご安心下さい」 タクシー屋さんは、パティたちを乗せて、流れる星に乗りました。 プップー ヒューーイ しゅっぱーーつ |
ひまわりの精、マリーも見送りに来てくれました。 「パティ 行ってらしゃい。おばあちゃんを大切にして下さいね」 「あっ マリーさん ありがとうございます。行ってきます」 パティたちは、星の流れに乗って、おばあちゃんのところへ、向かいました。 ![]() 「さあ ホームのお庭に着きましたよ」タクシー屋さんが言いました。 「ありがとうございました。タクシー屋さん」 ホームでは、いつもの寮母さんが迎えてくれました。 あれは ルミさんだ。こっちの人はナーナさん、あっちの人はキョーコちゃん。 あっ あとから走ってくるのは、ドイリーさんにふくちゃん、みかちゃん。 「パティ おばあちゃんに会いにきたかい?」ルミさんが言いました。 「はい ひさしぶりです。ルミおばさん」 「まだ おばさんじゃないよ」 「ああ すみません。お姉さん…」 「ずいぶんごぶさたでしたね。 たまには おばあちゃんの顔みにきてあげてね。 おばあちゃんも元気になるから… 今日はおばあちゃんの誕生日です。誕生日会にきてくれましたか?」 「はい」 むこうの方から、おばあちゃんが、車椅子をこぎながらやってきます。 「よいしょ よいしょ キーコ キーコ」 「ばあちゃん ばあちゃん パティよ」パティは近づいて、いいました。 「まあ パティかい しばらく見ないうちに大きくなって…」 「うん 一杯食べてるから…」 「ばあちゃん 誕生日おめでとう」 ![]() 「あ り が と う」 「母さんもきてるよ」 「ミーユがかい…?」 「ええ そうよ 一緒にきたの…」 おばあちゃんの顔がとても幸せそうな笑顔になりました。 しわを寄せて笑っています。 「皆んなで誕生日のお祝いしましょう」ミーユが、いいました。 「ばあちゃん お誕生日おめでとう」 おばあちゃんは、人恋しさのあまり、嬉しくて嬉しくて、たまりませんでした。 「みなさん… 一番の贈り物は、顔を見せることです。 物を送ってもらうよりも、嬉しいんですよ」ルミさんが言いました。 みんなの胸にしみる言葉です…… おばあちゃんの頬を、涙が伝い流れました。 すると、涙の中から一筋の光が出てきて、きれいな虹になりました。 ![]() 虹の精レイリーです。見たことのない、まーるい虹です。 天から見ると、まーるく見える虹でした。 「おばあちゃん おめでとう 虹の中に入れてあげますからね」 レイリーはそう言うと まーるい虹の子供たちで、おばあちゃんを包み込んでくれました。 ![]() とっても楽しくて、幸せな日のおばあちゃんでした。 |
お わ り