不思議なお魚パティとラフィーネ 第43話 しーちゃん    2015.10.26s

 
第43話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
しーちゃんもうすぐ赤ちゃんが生まれるしおりさん
チョウチョさんパティの遊び仲間
アリさん広場が大好きなアリンコさん
バッタさんアリさんたちの遊び仲間でグーリーといいます
てんとう虫さんなおなおといいます。
トンボさん広場へ遊びに来るトンボさん
マリーひまわりの精マリー
雲さん見る人によって姿が変わって見える雲の精
マリリン以前、赤ちゃんを産んだこうのとりさん
キハルちゃんマリリンの子供
エンジェルyukiさまAngelさん 天使のようにやさしい人 高知市にお住まい


しーちゃんに赤ちゃんが……


 パティの家族は、いつものように広場へやってきました。
 ここはパティの大好きな遊び場です。
 広―い草原になっていて、ころんでも痛くないんだ!

パティの遊び場
三重県津市久居にある広場

 パティは、広場のはしっこのほうに、鳥さんを見つけました。
「母さん」 「なあに パティ」

「向こうのほうに、鳥さんがすわっているみたい、行ってみてもいい…?」
「いいわよ ぐあいが悪いのかもね。やさしくしてあげなさい」

「はい ちょっと見てきます」そういうとパティは近づいて行きました。

パティの家族
パティの家族

「鳥さん鳥さん こんにちは」

「こんにちは お魚さん」
「どこか悪いのですか?」  「いいえ 大丈夫ですよ」


「こうのとりさんですね。私はパティといいます。
 あそこにいるのが母さんとお姉ちゃん」


「まあ 家族できたのね」

「はい ここは私たちの大好きな遊び場なんです。
 広場には、ともだちもたくさんいますよ」

こうのとり
こうのとりしーちゃん

「まあ そうなの」

「今日もいると思うよ。そこらの草むらにいるはずです。よんでみますね。
 アリさん バッタのグーリー てんとうむしさん どこ? どこにいるの?」

「パティ ここだよー みんないるよー」そういうと草むらから顔を出してきました。

 アリさんとバッタとてんとう虫さんは、葉っぱの上まではいあがってきました。
 チョウチョとトンボさんも飛んできて、葉っぱにとまりました。

 ありさん バッタ てんとう虫  チョウチョ  トンボ

「みんな げんき?」 「はい げんきです」
「あのね こうのとりさんが またきてるのよ」パティはいいました。


「あの マリリンお姉さんですか?」アリさんが聞きました。
「うーーん ちがうの こんどのは しおりお姉さんっていうの……」

「じゃあ しーちゃんだね……」トンボさんがいいました。

「こうのとりしーちゃん なかなかいいね」みんながうなづきました。

パティ
パティ

 パティが聞きました。
「こうのとりさん すわっている所を見ると、その中には卵があるのでしょう?
 前にもこの広場で、こうのとりのマリリンさんがそうしてたの……」(33話)


「そうなんですか。私とおなじようにしてたのね」

「はい ずーとすわってあたためていると
 かわいい赤ちゃんが、卵のカラをやぶって出てきたんです。
 キハルちゃんと名付けてました」


「キハルちゃん かわいいなまえですね」


「し−ちゃんお姉さんも、大事に大事にあたためているんですね」
「ええ そうなんです」

「もう少ししたら、赤ちゃんが生まれるんでしょう」
「ええ でも、はじめてなので不安もあるの……」

「そうなんですか……」


 パティは少し考えていいました。
「そうだ 天使さまにお願いしてみましょう」

「あっ それがいいね」仲間たちがいいました。

「天使さまー エンジェルyukiさまー」

エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま

「なんですか パティ」天のほうから声が聞えてきました。
「あっ エンジェルyukiさま お願いがあります」


「こうのとりさんのことでしょう」
「エンジェルyukiさま 知っているんですか?」

「ええ 上からいつも見ていましたよ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるんですよね」
「はい そうです。 でも不安だっていってるの……」


「そうなの それじゃあ不安がなくなる、まほうを使いましょう。
 マリー ひまわりのマリーや ちょっと姿を見せて下さい」


「天使さま お呼びですか?」マリーが顔を出していいました。
「お願いがあるの。マリーの仲間たちでお花の輪を作って下さい」

ひまわり

「はい しょうちしました」
 そういうと、ひまわりたちが次つぎ出てきて、大空にまーるい花の輪を作りました。





「マリーありがとう。次は雲さん雲さんお願いします」
 天使さまは空に向かっていいました。

「はーい」すると雲さんが、ひまわりの輪の中にあらわれてきました。


「こうのとりさん だいじょうぶですよ。
 ほら あちらを見て下さい。雲さんがいますでしょう。
 あれは雲の精で、見る人によって姿が変わって見えるんですよ。
 今は、しーちゃんのお母さんに見えるはずです。どうですか?」

雲の精


「あっ 見えます。母の顔に見えます」

「ほほえんでいますでしょう。
 お母さんがいつも見守ってくれていますから、だいじょうぶよ。安心なさい」

「はい……」
 こうのとりさんは、やさしいお母さんを思い出し、胸がいっぱいになりました。



 ―― 見上げた空のあの雲が やさしき母の顔に見え…… ――


こうのとり
こうのとりしーちゃん

 パティがいいました。
「しーちゃんお姉さん お腹にちょっとさわってもいいですか?」

「いいですよ だいじょうぶですよ」


 パティは羽毛の中へ、そーーと手を入れて、さわってみました。
「わーー とってもあったかいです。ふわふわしてて、ポカポカです」

 エンジェルyukiさまがいいました
「パティ それはしーちゃんの、愛情のこもったぬくもりです。
 そのぬくもりが、卵の中にいる赤ちゃんに、伝わっていくのよ。
 リズムよく動く、しんぞうの音も聞こえるので、安心して成長していきます」


「赤ちゃーーん 生まれてきたら、この広場であそびましょうねー」
 パティは卵に向かっていいました。

 パティの遊び場からは、天使の国へ行くことができます。
 天使の国には、花がいっぱいさいていて、とってもきれいな所です。

 パティは天使さまから、天使の国の入口を教えてもらっているんです。
 いつでも、行ったりきたりすることができる、不思議なお魚なんです。


天使の花園
天使の花園

「パティ しーちゃんに赤ちゃんが生まれたら、いっしょにいらっしゃい。
 天使の国のみんなで歓迎します。
 お母さんになった、しーちゃんお姉さんも、お祝いしてあげないとね」

「はい わかりました。天使さま つれていきますね」
「お願いね。 まっていますよ」

 天使のみんなも、しーちゃんお姉さんの安産を、天のほうから祈っています。

 エンジェル エンジェル エンジェル  エンジェル エンジェル エンジェル

「こうのとりのしーちゃーーんお姉さん おだいじに……」



  お わ り