不思議なお魚パティとラフィーネ 第26話 こうのとり・マリリン   2007.11.26

 
第26話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
コウノトリのマリリン一緒に働いている方、まりこさん
コウノトリの子供マリリンの子供 きーくん
クリオネのかおりん3話のかおりん 
かっこちゃんかおりんのお母さん
フラミンゴのマリリン6話のマリリン ミーユの友達
ひまわりのマリーひまわりの精 ゆきこさん
キラキラ星のキララ神戸にお住まいの方
パティの仲間小鳥さん、バッタさん、ありんこさん、てんとう虫さん
トンボさん、チョウチョのユーくん
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


ケガをしたこうのとり・マリリンのお話


 パティはいつものように家族で広場へ向かいました。
 みんなが集まる楽しい広場です。


 バッタにありさん、小鳥さん、トンボにてんとう虫さん

 


広場


 踏み切りを超えると広場が見えてきます。


「パティ 見てごらん 誰かいますよ」ミーユがいいました。
「ほんとだ だれかな?」


パティの家族


「母さん 先に行って見てくるね。いいでしょう」
「いいですよ。 気をつけてね」


「ラフィーネも行っていいですよ」


「はーい 母さん」


 広場では、コウノトリさんが休んでいました。
「こんにちは コウノトリさん」パティが声かけました。


マリリン


「こんにちは はじめまして…」トリさんが答えました。


「私はパティ」

「私はラフィーネ」
「あそこにいるのが母さんと赤ちゃん」


「母さんは ミーユっていいます。
 だっこは 赤ちゃんのマーロです」


「ちゃんと紹介してくれるのね。えらいね。
 私は、マリリンといいます。少し休んでいるところです」


マリリン
マリリン


「どうしたんですか? あっ 足をケガしてますね」
「ええ ころんでね。 骨にひびがはいってるの…… 」


「まあ それは大変。大丈夫ですか? 歩けますか?」
「痛くないですか?」パティの心配そうな顔


「ええ 大丈夫です。こうしてツエを使えば歩けます」
 コッツン スーー  コッツン スーー

「かあさーん かあさーん あのね、コウノトリさんが大変なのーー」
「どうしたんですか?」ミーユが近づいてきて、いいました。


「あのね 足をケガしてるの……」
「まあ かわいそうに 痛くないですか?」


「早くよくなりますように……」
 ミーユはそういうと、ケガした足をやさしくそーーとなでました。


「パティもありましたね。こんなことが……
 ひざをケガしたときに… まつばヅエついて歩いたよね」


「うん なれるとツエ1本でも歩けるようになるけど……それまで不便ですね」


「ええ 両手がふさがってしまいますから…
 早く、なれないとね… がんばります」マリリンがいいました。


「ねえ お荷物持ってあげましようか? マリリンお姉さん」
「ありがとう もう少しここで休みます」



「そうですか。こうして会えたのも、これも不思議な出会いなのかもしれませんね。
 マリリンさん。これからもよろしくね」ミーユがお願いしました。


「はい こちらこそよろしくおねがいします」
 こうして、パティたちに、また新しいお友達がふえました。


「パティ 天使さまの所へ行ってきておくれ…」
「はい 母さん エンジェルyukiさまにお願いするんでしょう」


パティ ミーユ


「ええ yukiさまならきっといいことを教えてくれると思います。
 これでは マリリンお姉さん、お仕事やお料理も大変でしょう。
 かたほうの足で立ってばかりでは、つかれてしまいます」


 じつは 
 近くへ移動するときは、ケン ケン… ケン ケン…と片足でとびます。
 ケン ケン パッ の パッ ができないのです。だからつかれます。


「母さんはマリリンお姉さんのそばにいてあげて…… 一人じゃ可愛そうです」
「はい 大丈夫よ いっしょにいますよ。 いってらっしゃい」


「はい いってきます」


 そういうとパティは天使の国の入口の
 コスモスの花びらの中をくぐりました。


天使の入口
天使の国の入口・コスモスの花


 コスモスの花は天使の国へ通じているんです。



「天使さま… エンジェルyukiさま… マリリンお姉さんがね…」
「はい パティ 分かっていますよ」


エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま


「コウノトリのマリリンのことでしょう」
「はい そうです」


「マリリンはね。明るい顔をしてますけど……
 でもね 悲しいこともあるのよ。 はげましてあげてね」


「はい 悲しいことってなんですか? 天使さま」

「それはね。つい、この前にね…… 子供が口ばしをケガしたんです。
 病院で手当てしていただいたのよ。イズミ先生にね。
 天からなら見えますよ。ほら あそこに… まだ包帯してるでしょう」


きすけ
   お母さんを気づかうキーくん


「はい 見えます。 あっ 広場へきましたね。お母さんの所へ…
 お母さんの足が…心配なのでしょう。自分もケガしてるのにね」

「マリリンも足をケガしたのに、子供のことを心配してるのよ。自分よりも…」



「それが親と子の愛情なんです。
 パティ わかりますね」


パティ


「はい わかります。
 人を思いやる気持ちが大切なことなんですね。yukiさま」


「そうよ えらいね パティ。
 マリリンの家族をいいところへ連れていってあげましょう。
 あそこへ行くときっと 良くなります」


「どこですか そこは…?」


コウノトリの郷公園
        兵庫県豊岡市 コウノトリの郷公園


「コウノトリのさと公園、というところです。
 村のみなさんが、荒れた田んぼや山を手入れして、自然をよみがえらせたのよ。
 小川を作り、田んぼにも川から水が流れ込むようにしました。
 植物も育ち小川からお魚さんも泳いできます」


メダカ


 カエルさん、バッタさん、トンボさん、たにしさん、ありんこさん、ミミズさん
 どじょうさん、いろんな生き物が育つようになりました。


「マリリンたちをそこへお連れしましょうか? パティ?
 しばらく静養するとよくなると思います。
 パティ マリリンたちを、ここへ連れてきて下さいますか?」


「はい」 そういうとパティはマリリンたちを連れてきました。


「天使さま マリリンをお連れしました」

「ありがとう パティ」


マリリンとキークン
   マリリンとキーくん


「マリリン 早く治るように、なかまが暮らす所へお送りします。
 ゆっくり静養してケガをいやして下さい」


エンジェルyukiさま


「ありがとうございます。
 でも、どうして私たちに、このようにして下さるのですか?」マリリンが聞きました。


「マリリンの、家族を思いやる気持ちに打たれましたよ。 yukiは…
 自分も痛ましい姿なのに… えらいね マリリン…
 親が子供を育てることを投げ出したり、子が親をキズつけたり……
 そのようなことが多く、おきています。

 山や川や野原や森… 自然の中の生き物には決して見られないことです。
 私はいつも天から見ています… 悲しいことが多すぎます…
 思いやりの気持ちの薄れている中、マリリンの愛情が心にしみます。
 きっと治してあげます。 ご安心ください」


「ああ ありがとうございます。天使さま」


「ケン ケン パッ の パ ができるようになりましょうね。 マ・リ・リン・・」


「マリリンにひとつだけお願いがあるんですけど…」
「なんでしょうか? 私にできることでしたら、喜んでいたします」


「じつは、チョウチョのユーくんが羽をいためています。
 ねじれてしまって、しばらくは飛べないでしょう」


「まあ それは大変ですね。チョウチョさんが飛べないんでは…」


「ええ しばらく羽を休めたほうが、いいと思います。
 マリリンとキーくんと一緒に、コウノトリのさとへ連れていって頂けませんか?」


「はい 子供は口ばし、いがいは、自由に使えますから…」マリリンは子供に目をむけました。
「母さん ボクが手の平にのせていきます」キーくんがいいました。


「羽をキズつけないよう、だいじにね」

「うんっ」


「ありがとう。マリリン キーくん!」yukiさまがお礼をいいました。


「いいえ 天使さま お礼を言われるほどのことではありません。
 私たちにも何かさせて下さい。すがってばかりは、いられません」


「マリリンは、やっぱりやさしいのね。うれしいです」

チョウチョ
ユーくん


「村まで行くにはひまわりのマリーに送くらせましょう。
 マリーや コウノトリのさと公園まで送ってあげてね」

「はい しょうちしました。 天使さま」


ひまわりのマリー
マリー


「パティも送ってあげなさい。マリーと一緒に帰ればいいですから…
 ミーユには私から伝えておきます。心配しないでっ と……」


パティ


「はい 私も送って行きます」


 ヒューイ マリーが仲間のみんなを連れてきました。


ひまわり


「パティ さあ乗って… マリリンさんもね」マリーがいいました。

「はい お願いします」


 ひまわりのマリーはマリリンたちを乗せ、コウノトリのさと公園へ向いました。



「ひまわりのマリーさん どちらへお出かけですかーー」キララの声です。


「あっ キラキラ星のキララさん コウノトリのさと公園です」


「私たちキラキラ星のなかまにも、お手伝いさせて下さい」
 キララがそういうと、きれいなきれいな、お星さまの道ができました。


キララ
       キラキラ星のキララたち


 キララが作ってくれた、お星さまの流れに乗って、コウノトリのさと公園へ着きました。
 そこには、たくさんの、コウノトリが暮らしていました。


コウノトリたち
  平和にくらすコウノトリたち


「マリリンさん… キーくん… チョウチョのユーくん…
 いらっしゃいませ」


 仲間のみんなが、心よく受け入れてくれました。


 トリたちは村の人びとに愛され、ほごされ、ずーと昔に
 あった、のどかな日を送っています。


 たくさんの生き物たちに囲まれ平和に暮らしています。


 ここには、おだやかな平和なひと時しかありません。
 心と体を休める場所なのです。


 マリリンたちはここでゆっくり静養すると、きっとよくなることでしょう。
 もうすぐクリスマス それまでにはきっとよくなります。


クリスマス


お わ り