不思議なお魚パティとラフィーネ 第32話 てぶくろさん 2009.12.18
パティの家族構成 | お母さん:ミーユ お父さん:マルーロ 長女 :ラフィーネ 次女 :パティ 長男:マーロ |
パティ | 31年前の思い出の小学生 |
お母さん ミーユ | パティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん |
てぶくろさん | ジュンさまのお使いでやって来たてぶくろさん |
ジュンさま | 大学病院のやさしい方 |
カーナ | ジュンさまのお友達 |
マリリン | こうのとりマリリン |
コアラさん | コアラさんの家族のお母さん |
パティの仲間 | 小鳥さん、バッタさん、ありんこさん、てんとう虫さん チョウチョのアイちゃんユーくん |
エンジェルyukiさま | Angelさん 天使のようにやさしい人 |
ある日てぶくろさんが たずねてきました ご用はなーに!
パティはいつもの広場で空を飛んで遊んでいました。 そこへ、てぶくろさんがフワフワと飛んで来ました。 「こんにちは てぶくろさん 私はパティといいます」 「あそこにいるのは 母さんです。ミーユといいます」 ![]() ![]() てぶくろさん パティ 「こんにちは パティさん 私はてぶくろです」 「そう じゃあ ふーちゃんと呼びましょう」 「ふーちゃんは、どちらへ行くんですか?」 「はい マルーロさまを 探しています」 「えっ 私の父さんです。 その名前は……」 「母さんのところへ行きましょう」パティがいいました。 「はい」 ![]() ヒューイ パティたちはミーユのところへおりてきました。 「母さん 母さん 父さんを探してるって…… てぶくろさんが……」 「まあ 父さんを…… ですか?」 「はい マルーロさまにお会いできますか?」 「今は無理でございます。遠い所へ行っていますから」 「そうですか。それは残念です」 「どのようなご用ですか?」ミーユがいいました。 |
「はい 実は私の仕えている主人はジュンといいます」 「ずーと前のことですが、主人が大変お世話になりました」 「ジュンさまは大切な物を探していましたが、見つからず困っていました」 ![]() ジュンさま 「この広場の、でこぼこの小山の向こうの方で落し物をしました」 「困って悲しんでいるとき…… マルーロさまに会いました」 「もしもし どうか しましたか? 悲しい顔をして……」マルーロが声かけました。 「はい 大切にしていたイヤリング…… 1つなくしてしまいました」 「母からのプレゼント…… 大切なものです」 「そうなんですか。 思い出がいっぱいつまっているんでしょうね」 「ええ 私が成人した時、母からもらったものです」 「はででなく、さりげなく、耳元を照らしてくれる、お気に入りのイヤリング……」 「かわいいので カーナ と 名前をつけました」 ![]() カーナ 「1つはここにあります。これです。 このように……ひかえ目に輝いています」 「お出かけの時はいつも付けていましたが、この草むらの中にころがってしまって……」 「探したのですが見つかりません」 「そうですか。そんな大切な物ですか」 「それでしたら、私が探してみましょう」 「そういうとマルーロさまは、何日も探してくれました」 「新しく買ったであろう、てぶくろも一日で泥だらけになっていました」 「そのようすをジュンさまは見ていました」 「ああ あの時のことですか? 覚えていますよ」 「母さん てぶくろをいくつも用意してた時のことですね」パティがききました。 「そうですよ。毎日てぶくろを代えて出かけて行きましたね」 「とても大切なものですから、探さなければと思ったようです」 「いま困っている人がいるんだから……」 「何としても探さないと…… そういうと はりきって出かけて行きました」 |
「そうですよ マルーロは一生懸命探しました」 「あ 天使さま」 「エンジェルyukiさまも知っているんですか?」 ![]() エンジェルyukiさま 「はい 見ていましたよ。 あのときのこと……」 「草むらの中をあちこち探していました」 「そのかいあって、見つけることができたんですよ」 「イヤリングのカーナさま どこにいるのでしょう……」 「もうひとつのリングは、ジュンさまのもとにいます」 「2つそろわないとあなたも悲しいでしょう……」 「はなればなれになって、さみしいでしょうね」 マルーロは草をかきわけながら、あちこちのぞいて見ました。 広場にいる仲良しさんも、探してくれました。 とりさんにアリンコさん、てんとう虫にバッタさん。 広場へきていたコアラさんも、こうのとりマリリンも加わりました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() マリリン |
「マルーロさま、こちらに何かありますよ」てんとう虫が呼んでいます。 行ってみると草むらの中で、根っこにひっかかって光っているものが見えました。 草むらから小川へ落ちそうなところにありました。 なぜか悲しい涙をこぼしているように見えます。 ![]() カーナ 「もしもし、あなたはジュンさまのイヤリングですか?」 「はい ジュンさまの耳から落ちてから、ずーとここにいます」 「そうですか。ジュンさまが、とても悲しんでいます」 ![]() 「私も早くジュンさまのもとへ帰りたいのです。助けてください」 「トリさん助けてあげて、バッタさんもアリさんもてんとう虫さんも……」 「はい みんな手をつないで……」マルーロがいいました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「さあ いくよ。コアラさんもおねがいします」 「はい」 |
みんなで落ちそうなリングを助けようと力を合わせてがんばります。 「もう少しで届くよ。もう少し うーーん もっと手をのばして……」 「あ あー 小川におちそうです」 「マリリン マリリン はやく小川へ回って……」 「川へ落ちないようにささえてあげて…… その長い口で……」 ![]() マリリン 「はーい」 ピチャ ピチャ そういうとマリリンは小川へ走って行きました。……が…… 「ポチャーン」 「あ 落ちたよ。 あーー大丈夫かしら?」 みんな不安な気持ちで小川を見ています。 「あ あそこに沈んでるよ。 見えるよ」コアラさんが見つけました。 「マリリン マリリン 口ではさんでみて……」 「はーい ツン ツン…… ツン ツン…… コツン あっ あった あった」 マリリンは口ばしでくわえて川から助けあげ、マルーロの手にのせました。 「もう大丈夫ですよ」 「カーナさん、もう大丈夫です。安心して下さい」 「はい」 カーナは感謝をこめてうなづきました。 「みなさま、ありがとうございました」 「いいえ どういたしまして」 「これでジュンさまに会えますか?」カーナがいいました。 「はい 連れて行ってあげます」 「もう片方は、ジュンさまのところにいます」 マルーロは、そういうと、リングをジュンさまにとどけました。 「ジュンさま、ありましたよー みて下さい」 「これでしょう」 ![]() カーナ ![]() 「あっ はい そうです。 それです」 「ジュンさまは、何度も何度も、お礼をいいました」 「リングのカーナも、2つそろって大喜びです」
|
「そっかー それで、てぶくろさんが、たずねて来たんですね」 「はい ジュンさまは、私にマルーロさまのお役に立ちなさい。といい……」 「こちらへ行くように言いました」 ![]() てぶくろさん 「今日から私たちとくらしますか?」ミーユがいいました。 「はい そうさせて下さい。あの時のお礼がしたいです」 「わかりました」 「マルーロもきっと喜ぶことでしょう」 こうしてパティたちにまた、新しい仲間がふえました。 |
お わ り