不思議なお魚パティとラフィーネ 第48話 マンミのお母さん 2020.03.20s
パティの家族構成 | お母さん:ミーユ お父さん:マルーロ 長女 :ラフィーネ 次女 :パティ 長男:マーロ |
パティ | 31年前の思い出の小学生 |
お母さん ミーユ | パティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん |
みっちゃん | パティの父さんの親戚の人・お店やさんをしています |
マンミちゃん | パティの父さんの小学校中学校の同級生 |
先生 | マンミちゃんのお母さん |
てんとう虫 | マンミの仲良しの ももちゃん |
小鳥さん | マンミの仲良しの えっちゃん・転校してきて転校して行った |
アリさん | パティの仲間たち |
バッタ | パティの仲間たち |
マリー | 天使さまにつかえているひまわりの精 |
レイリー | 天使さまにつかえている虹の精 |
エンジェルyukiさま | Angelさん 天使のようにやさしい人 高知市にお住まい |
同級生マンミちゃんのお母さん
パティの家族は不思議なお魚です。 いつも水の中にいるわけではありません。 空を飛んだりする、とっても不思議なお魚です。 お母さんの名前は「ミーユ」 赤ちゃんの名前は「マーロ」といいます。 |
![]() パティの家族 |
今日もパティの大好きな広場へ来ています。 広場は遊ぶにはすごく楽しいところ かけっこも出来るんだ! 草原だからころんでも痛くないんだ! |
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広場にはバッタにアリさん てんとう虫に小鳥さんもいます。 みんなパティの仲間です。 |
ミーユがパティに声かけました。 「パティ 父さんの田舎へ行ってみましょうか?」 「いいよ 母さん ばあちゃんの住んでた村だね」 「ええ そうよ 着いたらばあちゃんのお墓参りもしましょう」 ![]() 「はい ばあちゃん喜ぶね」 「そうね ばあちゃんは、パティが大好きだったからね」 「母さん 天使さまにお願いしてきましょうか?」 「そうね それがいいね」 そういうとパティは、天に向かって飛んで行きました。 パティは天使さまから、天使の国へ入ることを許されているんです。 |
![]() エンジェルyukiさま 「天使さまー エンジェルyukiさまー」 「あらっ パティ いらっしゃい。何かごようですか?」 「お願いがあります。父さんの田舎まで行きたいの……」 「ああ わかりました。送ってほしいのね」 「はい お願いできますか?」 「ええ よろこんで…… おばあちゃんのお墓参りでしょう」 「はい そうなんです」 |
「それでは、ひまわりのマリーにお願いしましょう。 マリー マリーや きておくれ」 ![]() 「はーい 天使さま ご用は何ですか?」マリーが言いました。 「パティが田舎まで行きたいのよ。送ってくださいますか?」 「承知しました。仲間のみんなも呼びます。みんな来ておくれ」 すると、マリーの仲間がたくさん舞いおりてきました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 天使さまが指で大きな円を天に向かって描くと そのあとを、ひまわりの精たちが追いかけて大きな リングを作りました。 ![]() 「わー きれい」パティの声 「さあこのリングをくぐって下さい。 リングの向こうは田舎につづいています」 「ありがとう 天使さま マリーさん」 「どういたしまして。気をつけていってらっしゃい。 途中で虹の精レイリーにも送らせますからね」 |
「はい では 行ってきます。母さん行きましょう」 「ええ そうしましょう」 「パティ まってよー ぼくも行くー」バッタが言いました。 ほかにも、アリさんや小鳥さん、てんとう虫もついてきました。 ![]() ![]() ![]() ![]() パティは仲間たちといっしょに、リングの中へ入って行きました。 リングに入ると、レイリーが田舎まで虹のかけ橋をかけていました。 「パティ こんにちは」レイリーが言いました。 「こんにちは、レイリーさん」 ![]() 「私もお手伝いさせていただきます」 「ありがとうございます。行ってきますね。レイリーさん」 パティが仲間たちと、虹のかけ橋を渡っていると海が見えてきました。 「母さん 下を見てー 海を見てー お船が行ってるよ」 「あっ あれは田舎へ帰るときに乗ったフェリーですね」 ![]() 「父さんと帰るときに乗ったお船ですか?」 「そうですよ 松山の港へ着くのよ。そこからは車で田舎へ行ったでしょう」 「うん」 仲間たちと話しながら虹を渡ると、橋のたもとに出ました。 橋のたもとには、おうちが何軒かあり、家の前には畑がありました。 |
「ここは三島(みしま)というところなのよ」ミーユが言いました。 「あっ わかった、通ったことあるよ 何回も……」パティが言いました。 「パティは父さんと、ばあちゃんの家に行ったからね」 「うん もう少し行ったところに、親戚(しんせき)の みっちゃんのお店があるの…… ガソリンも売ってるよ」 「よく おぼえてるね パティ」 「うん 一年に十回くらい行ったからね」 「そうだね。父さんが田舎へ行くとき、いつも一緒に行ってたね。 一人暮らしをしているばあちゃんに、顔を見せに行ってたのよね」 「うん それが 一番のおみやげだって、父さんが言ってたの……」 「そうね ばあちゃんも、元気になるって話してたね」ミーユの声 「あっ 母さん あそこの畑におばちゃんがいるよ」 「あれは マンミちゃんのお母さんです。 父さんの同級生にマンミちゃんっているのよ。 小学校から中学校までずーと一緒だったの」 ![]() |
「あー そうなんだ。おばちゃん こんにちは」 「はい こんにちは」おばちゃんが腰をのばしながら言いました。 「こんにちはー」アリさんたちもみんなであいさつしました。 てんとう虫は、おばちゃんの頭にとまっています。 「あら アリさんや小鳥さんに、バッタさんにてんとう虫さんもいるのね」 「てんとう虫はももちゃん、小鳥はえっちゃんといいます」パティが言いました。 ![]() ![]() 「まあ 娘の仲良しの同級生と同じ名前です。ももちゃんにえっちゃんね」 「なつかしいですか?」 ![]() 「はい とっても…… 娘と大の仲良しでしたからね」 「そうなんだ じゃあ次にくるときも、てんとう虫と小鳥さんもつれてきますね」 「まあ ほんと…… うれしいです」 「わーい 私たちもまたこれるんですね。うれしいーな」てんとう虫が言いました。 ![]() |
「おばちゃん 畑で何してるんですか?」 「野菜を植えようと思ってるの」 「大根やキャベツですか?」 「そうですね」 ![]() ![]() 「おいしい野菜ができそうですね」 「ええ 大事に大事にそだてます」 「おばちゃん あのね 父さんが言ってました。 おばちゃんがクーベルタンの言葉を手紙に書いて送ってくれたって」 「あら そうなの どんな内容だったかしら……」 「母さん あのメモ持ってる?」パティはミーユにききました。 「持ってますよ。これでしょ」そう言っておばちゃんにメモを見せました。 ![]() 『最後の勝利を得ることより、その過程において いかに努力したかを高く評価するものと思えば、いかなる場合にも ベストを尽くして、がんばることが尊(とうと)いのではないか……』 パティが言いました。 「こう書いてあったそうです。父さんはこの言葉をノートに書き写して 今でもそのノートを大事に持っています。18のころからですって」 「まあ ありがたいね。そんなに大切にしていただいて」 「ときどき読みかえすみたいです。悩んだり迷ったりしたときなど……」 「そうなんですか。ちっとも知らなかった。よろしく伝えてね」 「はい 父さんはおばちゃんのことを先生って呼んでますよ。 先生 また帰ってきたときは声かけますね」 「そうしてね パティさん」 「パティって 呼び捨てでいいですよ。 先生」 「では 次からそう呼びますね。これからどちらへ行くのかしら?」 「ばあちゃんとじいちゃんのお墓参りです」 「ああそうなのね。喜びますよ きっと…… あっ ちょっと待ってて」 そういうと畑を出て、家に戻って箱を持って来ました。 ![]() 「パティ これおばあちゃんにお供えしてあげてください」 「あっ これ…… お寿司ですね。おいしいですよね」 「食べたことありますか?」先生がききました。 「はい ひと月前に帰ってきたとき親戚のみっちゃんの家で食べました。 先生が作って持ってきてくれたのよ。ってみっちゃんが言ってました」 「ああ そういえばお祭りのとき、持って行ってあげたことがあります」 「とってもおいしかったです。白いコブや濃い緑のコブで巻いたのや たまごで巻いたのがありますね。たまごで巻いたのが一番好きです」 「そうなの 近くでしたらいつでも作ってあげられますのに……」 「先生 ありがとうございます。ばあちゃんにお供えします。 ばあちゃんもお寿司が好きでしたから…… 喜ぶと思います」 「ほんと それはよかった」 「先生 マンミちゃんは今どこに住んでいるんですか?」 「今は大阪です」 「たまには帰ってきますか? 帰ってきたときは嬉しいでしょうね」 「ええ 顔を見ただけで、とても元気になりますよ。 人恋しくなっているんでしょうね」 「そうなんですか。じゃあ帰ったときは、先生にも会いにきますね」 「まあ ありがとう パティ また寄ってくださいね」 「はい やくそくします。先生 行ってきまーす」 「はーい 気をつけていってらっしゃい」 ふり向くと、先生がずーと手をふって見送ってくれていました。 |

昭和32年(1957)小学5年生