不思議なお魚パティとラフィーネ 第11話 天使の涙      2002.02.03

 
第11話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
ノアパティのお父さんマルーロの親友
ノアの家族ノアの奥様とその子供たち
天使さまたちノアを励ましてくれる放射線影響研究所の天使の皆さま
天使の涙ノアを助けてくれるmidori天使さま
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


パティのお父さんの親友が大変…お祈りしましょう


 今、ノアが天に昇ろうとしています。
 働き者のノア


花園


 パティのお父さんマルーロの親友です。
 マルーロと徹夜で働いたこともある青年


 ノアは責任感が強く
   徹夜で頑張ることが多かった。


 そのノアが胸が苦しいといいます。
 働きすぎなんだなっ。きっと♪
 夜も寝ないんだものな……♪


 パティがいいました。
「ねぇ ノアお兄ちゃん がんばって、
 また遊びに行きたいよー 私の好きなあの広場へ
 アリンコさん、バッタのグーリー、小鳥のボンテン、
 皆んな兄ちゃんを待ってるよっ」


パティ
パティ


バッタ ありんこ



 呼吸が少しずつ弱くなっていくのが分かります。
 ノアの頭の中に、皆んなと広場で遊ぶ姿が映っています。


ノア  シーソー  ぶらんこ
ノア


 飛び箱やブランコをしたり、おにごっこしたり、遠い昔の思い出が
 1ページ1ページ、アルバムをめくるように広がっていきます。


 ノアは力をふりしぼって言いました。
「パティー ごめんなっ ラフィーネも……
      もうあの広場へは行けそうもないやっ」


広場


「力が抜けて行くのが分かるんだ。
      だんだんパティ達が見えなくなってきたっ」


「しっかりしてー ノアお兄ちゃーーん」



 そばにいたミーユがいいました。
「ノア ノアっ 心残りのことがあるんでしょう。 ノアっ……」


miiyu


 ノアは目を閉じたまま、かすかにうなづきました。
 後に残る家族……子供達の事が気がかりなんです。


「もっと…もっと… 一緒にいてやりたい」
       ミーユにそう語りかけていたんです。


「パティ yukiさまのところへ行ってきておくれっ」
「はいっ ラフィーネも行こう」 「うん 行ってきます」


「天使さまー
 エンジェルyukiさま、ノアが ノアがっ…」
「パティ そろそろ来る頃だと思っていましたよ」


yukiさま
エンジェルyukiさま


 エンジェルyukiさまの目から涙がこぼれています。
 ポロっとこぼれた涙を差し出しながら言いました。


天使の涙


「パティ ラフィーネ これを持ってかえりなさい」
 涙の粒の中に「ノア」の姿が映っています。


「はやく、これを持っておかえり。
 ノアの胸にのっけてあげなさい。使いの者も向かわせます」


「はいっ yukiさまありがとう」
「母さんっ 天使さまがこれをノアの胸にってっ……」


パティ


「パティ ラフィーネ 早くしてあげなさい」


 パティとラフィーネは、ノアの胸に「天使の涙」をそぅーと乗せると
 天使の涙はスーーとノアの体の中へすいこまれていきました。


 すると
「トン… トン… トン… トン… 」と弱々しかった鼓動が
 少しずつ、元気になってきました。



 yukiさまにお仕えしている天使のみなさまも一人ずつ「天使の涙」を
 ノアの胸にのせてお祈りしてくれました。


天使の涙


「早すぎるノアの命の灯をもう少し伸ばして下さい」
「せめて、子供たちが成人するまで…… まって下さい……」


 ノアの目が少しずつ静かに開いてきました。
 ミーユやパティ、ラフィーネ、天使たちも喜びました。


 ノアと家族のものは喜びの涙でいっぱいです。
 天使さまに感謝し精一杯生きる約束をしました。


ノアの子供ノアの奥さんノア ノアの子供
ノアの家族



天使 天使さまとの約束 天使


誰も知らない道がある どこまで続く道なのか  誰も知らない道がある
まっすぐ続く道なのか 曲がりくねった道なのか 誰も知らない道がある


誰も知らない道だけど 誰もが知っていることは 生ある限り生きること…
生ある限り生きること……



  お わ り