不思議なお魚パティとラフィーネ 第39話 ホームレス ねこくん    2013.02.17s

 
第39話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
ねこくん散歩中にいつも出会うホームレス ねこくん
雲さん雲の精 見る人の会いたいものに変わって見えます
バラの精広場に咲いている花。一年中花が咲きます
雪の精白い雪の精 舞ちゃん
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


散歩のとき、いつも出会う一人ぼっちのねこくん がんばって…

 パティの家族は、いつもの広場へ遊びにきました。
 今日も気になる、ねこくんが、じっとすわっています。
 パティはいつも同じところにいる、ねこくんを不思議に思っていました。


パティの家族


「ねこくん こんにちは。 私はパティといいます」
「こんにちは お魚さん。 私のことをみんなはミーと呼びます」
 ねこくんは返事をしました。




パティ
  パティ

ねこくん

「ねこくんはいつもここにいますね」

「はい ほかに行くところがないので…… 私は人に飼われたことがありません。
 小さいころは母と暮らしていましたが、その母は天国へ行ってしまいました」


「天使の国へ昇っていったんですね」

「はい…………」

「ねこくんは それからはずーと一人で……」

「ええ…… 」


「ときどき親切なおばあちゃんが、牛乳やカンヅメを持って来てくれるんです。
 ほかは自分で食べ物を探しています。たよってばかりでは、生きられないので……」

「えらいですね。ねこくんは……」
「小さい時からこの暮らしをしていますから、これが普通になっています」

エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま

 その時、天の方から声が聞こえました。
「ねこくんのお母さんは、私たちと暮らしていますよ。天使の国でね」

「あっ エンジェルyukiさま。ねこくん 天使さまです」パティがいいました。

「天使さま こんにちは」ねこくんはあいさつしました。


「ねこくん ときどき おばあちゃんが あらわれるでしょう」天使さまの声
「はい やさしいおばあちゃんです」


「あれはお母さんですよ。姿は変わっていますけど…… 私がつかわしました」
「えっ そうなんですか。 私の お母さん……」


「そうですよ。お母さんは、いつもねこくんを見守っています。強く生きるんですよ」
「はい 天使さま」


「空を見上げてごらんなさい。あそこに雲さんがみえるでしょう」
 ねこくんは空を見上げました。

「あの雲さんは見る者によって、姿が変わって見える雲の精です。
 今は、ねこくんのお母さんにみえるでしょう。ほら 笑っていますよ」

雲の精


「はい 見えます」
「呼んでごらんなさい。おかあーーーーさーーん。って」

「はい」ねこくんは大空に浮かぶ雲さんに向ってさけびました。

「おかあーーーーさーーん」


 ほんとは、とても会いたいんですよね。ねこくんの目には涙がにじんでいます。
 お母さんのおなかにもたれて寝ていた、あの日を思い出しているんでしょうね。

 雲さんは、やさしい笑顔を見せながら、うなづいています。
「くじけず、強く生きるんですよ」そういっているかのように……



 ねこくんは、いっぱい話がしたくなり、毎日のことを話し始めました。

「あのねお母さん いつも声をかけてくれるおじさんがいます。
 散歩に行くみたいで同じ時間に通るんです」

「ニャーオ 元気…?」っていうんですよ。

「私もニャーオって返事するんです。元気ですよ。行ってらっしゃい。といってるんですが
 分かってくれてるみたいです」

「私の姿が見えないと、しばらくニャーオ…… ニャーオ……って
 キョロキョロ探しているんです」

 急いでかけ寄ると
「あっ いたんだ ねこくん。元気だった」と安心したような顔をします。

「元気ですよ。大丈夫…… お散歩いってらっしゃい」というんです。

「じゃあね。行ってくるからね」そういって散歩に出かけます。



バラの精


 ある日、雪が降り広場にも積もりました。
 広場に咲くバラも、雪ぼうしをかぶっています。

 寒さをしのぐため、物置小屋で過ごしていました。

 いつもの時間に、おじさんが通りかかり私を探しています。


「ニャーオ ニャーオ 雪が降ったね。寒いからどこかで休んでいるんだね」
 といいながらあたりを見回しています。


 探してくれてるけど、あまりにも寒いので出ていきませんでした。
 次の日の散歩の時もまた呼んでいます。その次の日もまた……

 ニャーオ ニャーオ……


ねこくん


 3日後…… 今日は出ていきました。

「あ! いたいた よかった 元気そうで……」
 
「元気だった?」 「ニャーオ」

「寒いだろう?」 「ニャーオ」


「ねこくんは えらいね いつも一人で……」 こんな会話があり

 おじさんは、すっかり安心した顔をして散歩に出かけました。

「いつも気にかけてくれるんですよ。 お母さん」

「そう よかったね また明日も会えるといいね」

「いってらっしゃい おじさーん 明日も会えますねーー」
 ねこくんは、おじさんの後ろ姿にむかって、大きな声をかけました。

 おじさんは振り向いて、大きくうなづいて遠ざかりました。

 お わ り