不思議なお魚パティとラフィーネ 第 5 話 太陽の子 サフラン   2001.02.20

 
第 5 話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
サフランミーユの仲良し 太陽の子 陽子ちゃん
太陽サフランのお母さん
うさぎのミッチーミーユとサフランの友達 ガソリンスタンド屋さん
ヘルマンヘッセの
詩集の好きなお兄さん
ミッチーの初恋の人
クリオネ流氷の妖精 かっこちゃんとかおりん
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


太陽の子 サフランちゃんが来てくれました



 ミーユのとっても仲良しのサフランちゃん。
 太陽から生れた 元気者。 「サフラン」


 皆んなに光を与える 太陽……
 太陽の子 サフランって言います♪


sun saffron


 ほらっ あそこにいるでしょう。
 お母さん太陽の隣に
にこっ♪」と笑顔一杯で、とってもかわいいサフラン♪


saffronサフラン


 サフランは東へ西へエネルギッシュに走り回っています。
 西の方の「日影さん」が……「太陽が欲しいなあー……」と言えば
「はい はいー 行きますよー」


「サフラン こっちもおねがーい」と聞こえれば
「はい はいー 今 行きまーす♪」

 きどらないサフラン、さわやかなサフランはひっぱりだこです。
 どこへでも「はーい」と笑顔で来てくれます。
 皆んなの人気者なんだっ! サフランは


yukiguni


 おーっと パソコンも得意なんだよっ

 カチャカチャ カチャカチャ 
 カチカチッ カチカチッ クリック クリック!


 インターネットも何のその
 世界中へアクセス アクセス イェーイ♪


 Hello! nice to meet you.
         Have a nice day.



 ある日ミーユたち家族が温泉にきていました。
 雪におおわれた寒い寒い村ですが自然が一杯の村なんです。


pati family


 今年は雪がドカッドカッと降ってきました。すごい雪なんだ。
「あぁ サフランが来てくれないかなあー 雪に埋もれそうだよー」
 村のみんなが多すぎる雪に困っています。



 川も池も氷に覆われてしまいました。
 おやー 氷の下に妖精が見えます。


clione kaorin


「あっ クリオネさんだっ」
「うーん 上に行けないよー」氷が厚くて、かたいんだっ!
 カチン カチンでたたいても割れません。


「パティっ! サフランお姉さんにきてもらってよっ」ミーユがいいました。
「はーい」 パティは寒い風が吹く空を勢いよく飛びました。


pati雪国


「おー さむーーい!」
「ねぇ サフラン…… サフランお姉さーん
    村の人が困っているの 行ってあげて」


pati saffron
パティ     サフラン


「いいですよ♪  さあ 行きましょう パティ」
「はーい こっちでーす」
 パティはサフランを案内しました。


 村に着くと皆んなが喜んで迎えてくれました。
「村の皆さんもう大丈夫ですよ」


「さぁ あったかーく なーれ」
 サフランは村の上までくると、思いっきり温かい光を送りました。


saffron


 森の雪、屋根の雪、川や池の氷もだんだん溶けてきました。


「ほうーら つくしさんも顔だしてきました」
「こんにちは つくしさん わぁー かわいいよー ツクちゃん」


tsukushi tsukushi hito


「こんにちは サフランちゃん すてきよ いかすね」つくしさんがいいました。


「ありがとう サフラン」村の人々は大変喜びました。
「サフラン ありがとう」


house blue house kemuri house red house blue house kemuri


 クリオネも氷の下から出ることができました。


 村の人々はサフランに感謝の気持ちのハーブを差しあげました。
 ハーブの大好きなサフラン。
 お気に入りはレモングラスとローズマリー


 あれー 村にある、たったひとつのガソリンスタンド……
 雪にうもれていたお店も、サフランのおかげで顔を出してきました。


 おやおや ミーユとサフランの友達……ミッチーがお店番しています。
 なにやら、ちょっと悲しそう


usagi
ミッチー


 涙がこぼれています。大粒の涙がポロっと……


「ミッチー どうしたのっ?」ミーユとサフランが声かけました。
「うーん とっても悲しいの…… 初恋の人が…… うっうっうっ……」
  声になりません。


「分かったわよ ミッチー
 その先はいわなくてもいいの…… 天使さまのところへ行ったのね」


「うっうーー ミーユー! サフラーン! 運命なのねこれも……」
「泣きなさい 思いっきり 泣きなさい……」ミーユとサフランのやさしい声


ah helman


「そうかー ヘルマンヘッセの詩集の好きなあの人ね。
 前に話してくれましたね。優しい人のことを……
 詩集を2人で読んだ、思い出の日々…… 思い出してくるのね。ミッチー
 サフランっ ミッチーに あったかーい心をお願いね」
 ミーユがいいました。

「いいわよっ ミーユ まかしといてっ♪」


sun usagi saffron


 サフランはミッチーをやさしく抱きあげました。
 お母さん太陽とサフランでミッチーの心をあたたかーく包みました。


 そしてサフランがいいました。


「ミッチー ヘルマンヘッセのあの人は
 天使さまのところで暮らしていますよ。ほらっ みてごらん。
 少しだけ見せてあげます。エンジェルyukiさま いいでしょう」


yuki sama
エンジェルyukiさま

「いいですよ。 サフラン 見せてあげなさい
 気持ちが落ちつくことでしょう」

「はい」



「声をかけても聞えないけど、ねっ 見えるでしょう。
 ミッチーのいるところへ戻ってはこれません。
 でも、今は天使の国の子供達にヘルマンヘッセの詩集を読んであげています。
 子供たちにとっても慕われているんですよ。ヘルマンせんせーい!てっ。
 毎日がとても充実した日を送っているんですよ。
 ねっ それが伝わってくるでしょう」エンジェルyukiさまがいいました。


helman
ヘルマン先生


「えぇ あの姿は、恋していたあの頃のあの人です」ミッチーの明るい声
「そう見えますか。それはよかったですね」ミーユのホッとした声


「ミッチー いつもの笑顔に戻ったね♪」うれしそうなサフラン


saffron



 では 戻りましょうか。村の人々が待っています。
 村に戻ると、もうすっかり春が訪れていました。


house blue house kemuri inco blue inco green


 小川にはメダカさん、野原には春の花や草が顔出しています。


♪うーさーぎ おーいし かのやまー………♪

    ♪ こぶなつーりし かのかわー………♪♪



 あっサフランの仲間のクロッカスだっ。
 春の花です。いよいよ春だね。
 雪どけ水の流れる岸辺に、いくつもいくつも咲いています。


クロッカス                 サフラン
crocus flower saffron flower
photo by Mr.Shigenobu AOKI


「サフラン そろそろ行かなくてはっ
 どこかの冬さんが呼んでいますよ」お母さん太陽がいいました。

sun
お母さん太陽

「はーい」サフランの元気なお返事です。

saffron
太陽の子
サフラン



「みなさーん 呼んでくれたらいつでも来るからね。じゃぁ またね」


「いってらっしゃーい サフランおねえさまーー」
 みんなでお見送りです。


 素敵なサフラン 優しいサフラン とってもあったかーいサフラン


 本当は 太陽の子 「陽子ちゃん」っていうんです。



  お わ り