不思議なお魚パティとラフィーネ 第17話 この海のむこうに・・ 2003.01.28
パティの家族構成 | お母さん:ミーユ お父さん:マルーロ 長女 :ラフィーネ 次女 :パティ 長男:マーロ |
パティ | 31年前の思い出の小学生 |
お母さん ミーユ | パティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん |
鳥さんたち | 遠いところから旅をしてやっと帰ってきた人々 |
小鳥さんたち | 鳥さんの子供たちや家族 |
マリーたち | ひまわりの精 天使さまのおそばに仕えています |
キララ | キラキラ星のお星さま |
竹人形 | 福井にいるとっても思いやりのある友達 |
山 | 海の向こうにある大きな大きな山 |
風小僧 | 山と一緒にいる北風 |
エンジェルyukiさま | Angelさん 天使のようにやさしい人 |
この海のむこうには、はぐれた小鳥さんがいます。迎えにいかなくては…
パティ達は、家族で日本海の見える、海岸へ来ています。 この海の、ずーとずーと向こうには、大きな大きな、けわしい山があります。 そびえたつ山を降りたところには、静かでおだやかな、湖があるそうな……♪ ![]() パティとラフィーネは、海岸で貝がらを拾っていました。 「パティ ねぇこれ見て キイロの貝がらよ」ラフィーネが見つけました。 ![]() 「わぁーきれい。 もっと探そう… あっ あったよ ここにも……」パティも見つけました。 「母さん これきれいでしょう」 「きれいだね 二人にブローチを作ってあげますね」 「ええ やったー」 |
貝がら拾いをしている時 海のずーーと向こうにある山を越え、ながく厳しい旅をしてきた 鳥さん達に会いました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() パティ ![]() ラフィーネ 「こんにちはお魚さん 何してるんですか?」 「貝がらを、さがしているんです」 「きれいなのが、ありましたか?」 「ええ こんなにきれいなのが、ありましたよ」 「わーー きれいね」 「そうそう、私はパティといいます」 「私はラフィーネです」 「あそこにいるのが母さんで、ミーユといいます」 ミーユは、遠くから笑顔をみせています。 |
「みなさんは、どこから来たのですか?」 「私達は、ずーーと向こうの方から、飛んできました。 遠いところまで飛んで行くときは、木の枝をくわえて飛びます。 飛び疲れたら枝を海に落とし、浮かんでいる枝にとまり、しばらく休みます」 「そうなんだー」 「休んで元気がでると、またいきおいよく、飛び立ちます。 こうすると、地球を一回りすることも、出来ますよ」 「えーー すごいんだね。 私は不思議なお魚だから、飛べるんですよ。いつも空を飛んでいます」 「そうー パティも飛べるんだね」 「ええ」 「この海の向こうの向こうには、大きな大きな山があります。 その山のふもとの湖には、私達の子供や家族がいます。 一緒に飛び立ったのですが、子供たちは強風に押し戻されました。 まだ、湖で流木にのっかり漂っていると思います」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「そうなの その山を越えるのは、大変そうですね」 「子供たちの力では、けわしい山から吹きおろす風を、乗り越えることが出来ません。 何度も何度も、繰り返し挑戦してみましたが、だめでした。 大人でもあの山を越えるのは大変なんです」 「そんなに、風が強いんですか…?」 「上へあがる風に乗って、うまく飛びあがらないと、吹きつける風に押し戻されます。 私達は、やっとの思いで、乗り越えました。 迎えに行きたいのですが、あの山からの風は恐ろしいくらいです」 |
「私が様子を見に行ってきましょうか?」パティがいいました。 「パティ行ってあげなさい」ミーユが声かけました。 ![]() ミーユ 「大丈夫ですかね?」鳥さんがいいました。 「ええ みんなの力を借りるようにします」 「他にもいるのですか?」 「はい マリーを呼んでみます」 マリーは、天使さまにお仕えしている、ひまわりの精です。 「マリー マリー お願いがあるの…… おりてきて下さい」 天使さまがいいました。 「マリー パティが困っているみたいよ。行ってあげなさい」 ![]() 「はい 承知しました 天使さま」 ひゅーーーーーい マリーは、ひまわりの精の仲間たちと、やってきました。 「パティ どうしました? ご用ですか?」 |
「あのね この海の向こうにある大きな山を越えたいの… 鳥さんの子供たちが、山のふもとの湖にいるのよ…… 迎えに行きたいの でも……山が……」 「そうか あの山は高くて風がすごいからね。 山は、まるで誰も通さないぞ!って立っているみたいですから…」 「そうらしいの ここにいる鳥さんたちが、心配しているんです」 「マリーさんすみません。私達が迎えに行くと、みんな戻ってこれなくなりそうなの」 「そうですか。それは心配でしょう。 私がパティたちと行ってきましょう。 パティ ラフィーネさあ行きましょう。さあ私に乗って……」 マリーは心よく引き受けてくれました。 パティとラフィーネはマリーに乗っかりました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() マリー |
マリーは雲よりも高いところを飛びました。 しばらく飛びつづけると、あの恐ろしい山が、ずーーと下に見えます。 山を越えると、湖が見えてきました。 ![]() ![]() ![]() 「あっ いるいる あの湖よ」パティが見つけました。 水面にすーーとマリーは着水しました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「小鳥さんたち、お迎えにきましたよ。お母さん達が待っています」 「ありがとう。淋しかったです。お母さんもお父さんも行ってしまったので……」 「追いかけようと、ガンバッテみたけどダメでした。 山が高すぎるのと、風が強すぎるので……」 「それは大変ですね」 「もう一度やってみるね。えーーい」 パタ パタ パタ …… パタ パタ パタ ![]() ![]() ![]() 羽ばたいても 大きな山が、ドーーンとそりかえってじゃまをします。 そして、山の上から ビュウーーー ビュウーーー ビュウーーー 強い風が吹いてきます。 「うーーん 押されちゃうよー」風に湖へ戻されそうです。 「よーーし 私も、力かしてあげる」パティが後ろから支えています。 「うーーん よいしょ あーー 苦しい、とっても強い風だーー」 「はぁー はぁー はぁー」みんなまた湖へ戻されてしまいました。 ポッチャーーン |
するとマリーがいいました。![]() ![]() 「お山さん、なぜそんなに、いじ悪するのですか? 私達は天使さまの使いのものですよ。 そんなことをしていると、天使さまに山を壊してもらいます」 「すみません。つい いたずらをしてしまって……」 「それに、風小僧さん。あなたまで一緒になって、行く手をさえぎったりして……」 そんなにある力なら、人のために使うようにと、天使さまが教えてくれたはずです。 強い風に乗せて、運んであげるのが、風小僧さんの役目でしょう」 「はい そうでした。ごめんなさい」 「お山さんは、疲れた鳥さんたちが、ゆっくり休めるように枝を差し出して あげるのが思いやりではありませんか? 人の役に立つ事がどんなに素晴らしく、すがすがしい事かを今ここで学びなさい」 ![]() ![]() 「マリーや 良くいって下さいました」天使さまの声がします。 山の上の上の、天を見上げると、天使さまの姿が見えました。 ![]() それを聞いていた、お山さんと風小僧は『恥ずかしそうな』顏になりました。 お山さんがいいました。 「ごめんなさい天使さま マリーさま みなさん すみませんでした。 さあ、どうぞ 思い切って飛びあがってください。 風小僧が、上へ上へと、運んで参りますから安心して下さい。 私は、落ちないように、枝で支えております。さあ どうぞ」 「そう ありがとう。わかってくれたのですね」 「はい」 「マリーや ここまで上がっておいで、ここからは私もお手伝いします」 「はい 天使さま」 ひまわりの精マリーが、仲間たちと大きな輪を作ってくれました。 みんなは、その、ひまわりに乗りました。 ![]() 「いいかい。しっかりつかまっててよ」 マリーはみんなを乗せて飛び上がりました。 風小僧の風に乗って、高いお山をフワーーと飛び越え、天使さまの所まできました。 |
天使さまは口元へ手を持って来て「ふーーー」とゆっくり息を吹きかけました。![]() すると手の平から、キラキラ光るキラキラ星のキララが、沢山沢山舞いあがり 海を越え天を流れる、お星さまの川になりました。 ![]() 「うわーー きれーい。 みてみてー」小鳥さんは、美しさにビックリしています。 「ほーんと きれいだねー これに乗ってもいいんですか?」パティが尋ねました。 「いいのよ パティ どうぞお乗りなさい。 パティ、ラフィーネ いい事をしましたね」 その優しい気持に私からの贈り物です。 さあ マリー 皆さんをご案内して…… キララの流れに乗って帰りなさい」 「はい 天使さま ありがとうございます」 「小鳥さん、この星はキララといいます。お母さんたちのところまで続いていますよ。 小鳥さんたちも、さあどうぞ…… キララも皆さんに会えたことを喜んでいます。 皆さんを送りたくて送りたくて、じっとしていられないみたいですよ」 ![]() キララ 「このお星さまに乗ると、お母さんお父さんに会えるのですね」 「はい そうですよ。 はやく行きなさい」 「天使さま ありがとうございます」 |
お星さまの流れに乗ってしばらくすると、小鳥さんの一人がいいました。 「あっ あそこにカタカナの『エ』みたいな島がみえるでしょ。 あれはお母さんの生れた島なの……」 「あっ あれ そうなの 上から見ると不思議の国みたいだね」 ![]() その島を過ぎると、キラキラ星のキララ川は、あの浜辺まで続いていました。 「あっ 見えて来たよ。 お母さんたちがいるよ。 お母さーん お父さーん」 マリーたちは無事に子供たち、みんなを連れて帰ってきました。 「パティ ラフィーネ ご苦労さま」ミーユもお迎えしました。 小鳥さんたちは、お母さんお父さんと、抱き合って喜んでいます。 やっと会うことができ、感動の再会となりました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「マリーさん パティ、ラフィーネ、キララさんありがとう」 「いいえ どういたしまして」 「では 私はこれで帰ります」 そういうとマリーとキララは天使さまの所へ帰って行きました。 |
お わ り