不思議なお魚パティとラフィーネ 第33話 マリリンに……   2010.04.02

 
第33話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
マリリンこうのとりマリリン キーくんのお母さん まりこさん
キーくんマリリンの子供
タマゴさんマリリンの第2子 もうすぐ誕生
パティの仲間小鳥さん、バッタさん、ありんこさん、てんとう虫さん
チョウチョのアイちゃんユーくん
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


こうのとりマリリンに… 赤ちゃんが……


 パティは不思議に思っていることがありました。
「母さんに聞いてみようかなっ…」

「母さん あのね……」


パティの家族


「なあに パティ」

「さいきんいつもマリリンお姉さんが、じーとすわってるの…
 どうして…なの……
 あそこよ 向こうの木の上にいるでしょう。
 木の枝や落ち葉などで作った、おふとんの中にいるの…」


「あれはね 赤ちゃんになるタマゴをあたためてるのよ。
 お腹の下には、もうすぐ赤ちゃんになるタマゴがあるの…
 ときどき立ち上がって、口ばしでタマゴを動かすんですよ」


こうのとり こうのとりの木
こうのとりマリリン

「うごかすのに意味があるの?」パティがいいました。

「タマゴ全体を同じようにあたためるためにね。
 ああして何日もあたためてると
 赤ちゃんが固いカラをやぶって出てくるのよ。
 こんにちは てっね。
 マリリンお姉さんに タマゴを見せてもらいましょうか?」


「見せてくれるかなあ マリリンお姉さん」

「たのんでみましょう」ミーユがいいました。



「マリリン マリリン もうすぐですか? ちょっと見せてくださいね」
「ええ どうぞ」


「マリリンは立ち上がって、太陽の方へタマゴを向けました」
 太陽の子サフランが光をあて、あたたくしてくれています。

太陽の子サフラン
太陽の子サフラン


 タマゴのカラが太陽の光で、すけてみえる気がします。
 かすかに、赤ちゃんの形になって動いています。


「母さん… 母さん……  動いてるみたいですよ」
「そうですね。もうすぐうまれてくるんでしょうね」




「キー君はお兄ちゃんになるのね」パティがいいました。
「きっと なかよし、きょうだいになるでしょうね。やさしいお兄ちゃんに…」


 パティは、きょうだいが遊んでいる姿を思いうかべていました。

パティ
  パティ


キーくん
キーくん


「母さん 広場へ遊びに行ってくるね」キーくんの声


「気をつけて行くんですよ」
「はーい」


「ねえ お兄ちゃーん まってよーー」
「うん まってるから ゆっくりでいいよ」


「あわてないで クックはいて… 自分ではけるよね」
 
「うん 兄ちゃん はけたよ。これでいいん……?」

「うーーーん……  ぎゃくだね
 はい 足あげて こっちのは こっち。
 もう片方もあげて こっちは こっち」 クツをなおしてあげるキーくん。


「ふーーん」 不思議そうにみています。
「さきっぽが外を向いてるのは、ぎゃくになってるということ……」


「わかる……?」  「うん わかった」
「よし じゃあ行こう」手をひいて広場へ向かうキーくん


「いってきまーす」
「いってらっしゃい」


「あとで、おやつもって行くからね。
 いつもの広場でしょう?」マリリンの声


キークン


広場

「うん」
「はやくきてね」


「こんな感じでしょうね。母さん」
「そうですね。 仲良しさんが見えてくるようです」


「マリリン もうういいですよ。あたためてあげて…
 パティ もういいでしょう」ミーユがいいました。

「はい ありがとうマリリンお姉さん」


「いいえ どういたしまして」
「お腹にさわってもいいですか?」パティがいいました。


「いいですよ」
 お腹にふれると、とてもあたたかいです。これが羽毛ふとんですね。


「うわーー ポッカ… ポカ…  あったかーーい。
 ここであたためてもらえば、赤ちゃんタマゴも安心ですね」


「はやく出てこないかな」
 ねっ 母さん。 楽しみですね」


「パティも友達になりましょうね」
「はい 母さん」


 そのとき、天のほうから声がしました。
「パティ あわてないのよ」

「あっ 天使さま。 エンジェルyukiさま」


エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま


「赤ちゃんが大丈夫なように、十分成長してから出てくるの…
 早すぎてうまれてくると、生きて行くのが大変ですからね」


「自然の中で生きて行くには、危険もいっぱいです。
 動物はみんな大変な中で生きているのよ」


「お父さんもお母さんも子供を育てるのに、愛情いっぱいそそいでいます。
 お魚さんの中には、産卵を終えると命の火が消えるものもいます」


「自然の中の生きものは、みんな命の尊さを…… 教えてくれます。
 マリリンもやさしいお母さんですよ」


「ああして、何日も赤ちゃんタマゴを守っています。
 パティ マリリンに何か食べる物持って行ってあげるといいよ」


「ずーーと あたためているから…… お腹もすいたでしょう……
 マリリンの好きな、どじょうがいいですね」


「はい さがしてきます」


 しばらくすると、パティは食べ物を持ってかえってきました。
「マリリンお姉さん。これ食べて元気な赤ちゃんをうんで下さい」


「まあ ありがとう パティ いただくわ」
 マリリンはおいしそうに食べました。



 そこへ、カンガルーさんがやってきました。
「母さん あのカンガルーさんは誰ですか?」


カンガルーさん パティ


「マリリンのお仕事を、つづけてくれる方です」

マリリン


「そうかー マリリンお姉さんは、もうすぐお仕事できなくなるのね」


「そうよ 赤ちゃんを育てるのに忙しくなるからね。
 長いことおつかれさま。マ・リ・リ・ン・
 でも…… 広場にくるとまた会えますよねっ マリリン…」ミーユがいいました。

「ええ 広場には仲間がたくさんいますから……
 バッタにありんこさん、てんとう虫に小鳥さん、チョウチョさん」

バッタ  ありんこ  てんとうむし  トリさん  チョウチョ  チョウチョ



「それに、あの広場は天使の国へつながっていますもの……
 パティは天使の国の入り口も知っているんですよね」


「はい 入ってもいいってyukiさまから許しをもらってるの…」


「パティ 赤ちゃんがうまれたら、天使の国へつれて行ってね」
「はい マリリンお姉さん。家族みんなで行きましょう」


「エンジェルyukiさまー うまれたら案内しますねー」
「はーい お待ちしています」


「天使の国のみんなで、お迎えします。
 その前に、マリリンが元気でありますよう、天使のみんなで祈っています。
 自分の体も大事にしないと… 元気な赤ちゃんをうむためにも……ね」


天使の子



「そうそう 天使の国はこんなところですよ。
 少しだけ見せてあげますね。マリリン……」


「パティと家族4人でいらっしゃい。こちらはいつも、お花いっぱいです」


天使の国の花園


「はい ありがとうございます。天使さま」

 そういうとマリリンは、今日も赤ちゃんタマゴを大事にあたためています。



  お わ り