不思議なお魚パティとラフィーネ 第37話 天使のかがやき    2011.12.03s

 
第37話の仲間たち
パティの家族構成 お母さん:ミーユ   お父さん:マルーロ
長女  :ラフィーネ  次女 :パティ   長男:マーロ
パティ31年前の思い出の小学生
お母さん ミーユパティに名前をつけてくれた、とっても優しくて素敵なお姉さん
リリーさん花のすきなお姉さん
お母さまリリーさんのお母さま
道ばたに咲く花リリーさんの分身「天使のかがやき」になる花
トマト病院みんなの病気を治してくれるところ
野に咲く花や木や森人びとの涙から生まれた希望のひかり
天使たちyukiさまに仕えている天使たち
エンジェルyukiさまAngelさん   天使のようにやさしい人


原っぱに天使のかがやきが おりてきました


 パティは空を飛んだりする不思議な魚です。
 いつも水の中にいるわけではありません。

 パティの家族には、広場に行くと会えます。
 広場からの帰りに、道ばたに咲く花を見つけました。

「母さん」
「なあに パティ」

「あそに咲いてるお花はえらいね。
 誰にも水ももらわないで、雨がふるのをまっています」


パティの家族
パティの家族


「そうね 自分の力で生きているのよ。
 道路の、すこしのスキマから芽をだして、強く生きていますね」

「ええ ここを通るたびに、えらいなあと思ってたの……
 風に吹かれて ユラ ユラー  ユラ ユラー
 でも 強いんだっ たおれないんです。
 私は負けないよ。といってるみたいです」

「パティ お花をよーく見てごらん。
 お花の向こうに見える世界があります。
 お花の向こうへ入ってみましょう。
 いくよ、そういうと、スーと中へ入りました」


道端の花
道端の花


「あっ 母さん。 お姉さんがいます。
 お料理しているようです」

 カタカタ カタカタ トントントン グツグツ グツグツ ポコポコポコ

「向こうの方で見ているのは、お母さまですね。
 おいしいもの食べさせてあげるんでしょうね。 きっと」

「そうね。お母さまを尊敬しているんですね。
 愛情が、いっぱいつまった、お料理ができますね」

 お母さまも嬉しそうに見ています。
「お母さま もう少し待っててね。すぐ出来ますから…」お姉さんの声

 お母さまが笑顔を見せ小さくうなずいています。
 何か話そうとしているようです。

「…………」

「聞こえなかったけど あれは……
 ありがとう っていったんだね。 母さん」


パティ
  パティ


「そう聞こえましたか。 パティ」
「はい」

「あっ お料理ができたようです」

 今日は寒いからお鍋 ホカホカ ホカホカ 湯気があがっています。
 白菜、ネギ、お魚、とり肉、お豆腐、まーるいおだんごのようなのも……

「わーー おいしそう。体があたたまりますね」


エンジェルyukiさま
エンジェルyukiさま

「パティ あれはね リリーさんなの…」
「あっ 天使さま。知っているんですか?」

「はい。 やさしいお姉さんですよ。
 今日は、とてもうれしい日なんです。
 以前のように、また家族がいっしょに、くらせるようになったの…
 お母さまが、しばらくトマト病院で、せいようしてたんです。
 それでね 良くなって帰ってきたのよ」
 パティも声をかけてあげてね」

「はい リリーお姉さん 私はパティといいます。
 お母さま、帰ってこれてよかったですね」


「ありがとう パティさん」


トマト病院


 エンジェルyukiさまがいいました。
「パティ ここへくる時、見たでしょう。とってもがんばって、咲いている花……」

「はい」

「あの花はリリーさんの分身で、天使の花といいます。
 雨がふっても、風が吹いても、がんっばている姿を見ましたね。
 さあ 前を向いて、みんなもがんばりましょう。って。
 そう いってるように見えますね」


「ええ 心がおれそうな時、負けそうな時、あの花を見ると勇気が出ます。
 もう一度 がんばってみようって…」

「そこにいますよ。呼んでおきました」
「えっ ほんと yukiさま」

「ええ ほらね」


天使の花
 天使の花

「あっ 天使のお花さん 勇気をくれてありがとう。感謝します」


「どういたしまして。いつでも見にきてください。
 私を見て元気になってくれるなら、うれしいです」

「お花さん お水はいらないの……」


 お花さんが話してくれました。
「ええ 私たちは、自然の恵みで生きているの…。
 少ない水でも、少しずつ吸収して、長く生きる工夫をするの…。
 どんなことが起こっても、くじけないんですよ。私たちは……
 もっともっと、つらく悲しいことにあった人が、たくさんいます」

「そうなんですか?」

「ある日大きな波がおしよせ…… 原っぱになったのね……
 たくさんの人が悲しみの涙をながした、あの日……」
 ・
 ・
天使の涙


 数日後、野原となった地に立つ、人びとの姿がありました。
 みんなの、ほほをつたって、流れおちる涙のしずく……

 目もとをはなれ、ポターとこぼれると……
 その ひとつぶ ひとつつぶが

天使の子
天使の子


 姿を変え、木になるもの 花になるもの…… 天使になるもの……

 これは、天使さまのまほうで、天使のかがやきを、送ってくれたのです。


天使のなみだ


「パティさん これには ふかーいわけがあるの……」天使の花がいいました。

 ここへ来る人たちに希望を持って頂くために、かがやいているの……
 あしたに向かう希望の花…… 希望の森…… 希望の光となるために…

 そろそろ私たちも、あの花や木の仲間になるため、おりていきます。
 前を向いて生きる人たちの…支えとなるために…
 天使のかがやきとなり、いつまでも光つづけます。



 お わ り